ディリゲントは、独BitwigのDAWソフト「Bitwig Studio」の最新版となるバージョン4.2を発表した。現在、ベータ版を配布中で、正式版のリリースは2022年3月を予定。有効なアップグレード・プランを所有するBitwig Studioユーザーであれば、Bitwigアカウントページから無償でベータ版をダウンロードできる。
バージョン4.2では、「Chorus+」「Flanger+」「Phaser+」という3つの新しいデバイスに、それぞれ4つのキャラクターを持たせることで計12のオーディオFXとして機能する。
Flanger+は音を噛み砕くようなデジタルでスクラッピーなサウンドが得られる「DP」、古典的なペダルスタイルのサウンドを再現した「MX」、なめらがでエッジの効いた「TFX」、強力かつ繊細な効果の「WA」を装備。
これらのサウンドキャラクターは、細かいセッティングが済んだ状態になっているが、LFOやステップシーケンサー、Bitwig Studio独自のモジュレーターデバイスを組み合わせてユーザー自身のオリジナルサウンドを構築できる。
Chorus+、Flanger+、Phaser+は、Bitwig Studio内のモジュールシステムである「Gridモジュール」の構成モジュールとして使用可能なので、これらのエフェクトを様々なGridのパッチに組み込んで、ステレオ・モジュレーションを作成したり、完全なポリフォニックに変換したりといったことが行える。
これまでのBitwig Studioは「Poly Grid」と「FX Grid」という2つのモジュラーサウンドデザイン環境を備え、インストゥルメントとエフェクトを直感的に構築することができていたが、最新バージョンではさらなるGrid環境「Note Grid」を用意。「Note Grid」では、184のGridモジュールで「ノート」の処理や生成ができる。例えば、新しいNote Outモジュールでは、ゲート信号を接続すると、ノートの出力が始まるようになっている。ピッチ、ベロシティ、チャンネルは、手動またはダイナミック信号で設定可能。また、Bitwig StudioはMPE(MIDI Polyphonic Expression)に対応しているので、Note Outを展開すると、各ノートの音色、音圧、ゲイン、パンニングの表現に対応した信号が得られる。Note Outモジュールは、Poly GridとFX Gridでも利用可能。アルペジエーターやモジュラードラムシーケンサーなど、新たに8つのプリセットを収録し、これらを使ってNote Gridに応用することも可能だ。
そのほかのアップデートは以下の通り。
- 「Oscilloscope」と「Spectrum」の各デバイスに、視覚的に音を確認できるミニビューを追加
- ほとんどの「Grid Shaperモジュール」に「アンチ・エイリアシング」オプションを追加
- 「Hard Clipモジュール」を追加
- 「Channel-16モジュレーター」を追加。Note Gridは信号を16のMIDIチャンネルに分類できるので、Channel-16モジュレーターでは、あらゆる楽器やプラグインで、チャンネルのグループ化が可能となる。
- Gridモジュールの「Probabilities」などでノートを生成する際に「Confidence出力」を追加
- 言語設定にフランス語を追加
なお、対応OSは、macOS 10.14(Mojave)以上、Windows 7/8/10/11(64bitのみ)、Ubuntu 18.04以上で、いずれもSSE4.1に対応したCPUが必須となる。