セイコーウオッチの高級ブランド「グランドセイコー」から、セイコーの創業140周年を記念した新作が発表された。新型のスプリングドライブムーブメントが大きな見どころだ。世界限定140本で11月19日発売予定、価格は550万円。

  • <グランドセイコー> Heritage Collection セイコー創業140周年記念限定モデル(SLGA008)

    <グランドセイコー> Heritage Collection セイコー創業140周年記念限定モデル(SLGA008)

今回の新作「SLGA008」は、セイコーの創業者である服部金太郎氏の信条「常に時代の一歩先を行く」と、グランドセイコーの進化を大樹の年輪をイメージして表現。1967年のモデル「44GS」で確立したとするデザインを受け継ぎつつ、「光と影の間」に美を見いだす日本の感性を採り入れ、本質的な視認性や装着性を一層進化させることを目指している。

大樹の年輪を表すのは、深みのあるダークブラウンのダイヤル。模様の高低差を大きくし、流れるようなラインで木目を描いた溝には、数百という細かい節目加工を施している。18Kゴールド削り出しのインデックスは繊細かつ美しく輝き、時分針とともに立体的で力強い対比を生んで高い視認性を実現。

  • 木目を描いたダークブラウンのダイヤルと、立体的で視認性に優れた時分針とインデックス

ケースは18Kピンクゴールドで、重心を低くした設計といった工夫によって装着性もたかめている。ケースサイズは外径40×厚さ11.6mmだ。風防は内面無反射コーティングのデュアルカーブサファイアガラス、ストラップはブラウンのクロコダイル、防水性能は10気圧となっている。

そして新型のスプリングドライブムーブメント「キャリバー 9RA2」は、2020年のキャリバー 9RA5の性能を継承しつつ、パワーリザーブのインジケーターを裏側に配置。これにより針の取り付け位置が下がり、ケースの薄型化に成功した。

  • 裏ぶたはシースルーバック

ブルースチールのインジケーター針は、厳寒期の信州地方の霧氷を表現した仕上げで静謐(せいひつ)な表情を伝える。120時間という長いパワーリザーブを持つ。ちなみにスプリングドライブとは、機械式ムーブメントと同じくぜんまいを動力に用い、さらにクオーツと同じ水晶振動子の正確な信号によって高い精度を実現したセイコー独自の機構だ。