アットアイデアは8月2日、これまでのビデオデッキとはまったく異なる方式のVHS再生機を開発する方針を発表した。ヘッドにテープを直接押し当てずに再生できる独自の仕組みを採用し、カビが発生していてもテープやヘッドを傷めずに再生できるという。テレビへの接続機能は持たず、直接microSDカードなどのデジタルメディアにダビングできる仕組みを採用する。商品名、価格は未定で、2026年度をめどに開発する。レンタルでの提供も見込む。
開発の経緯は、VHSテープに記録された映像を保持しているユーザーがいまだ多いことを受けてのもの。従来型のVHSビデオデッキは、テープを引っ張って筒型のヘッドに押し当て再生/録画を行う仕組みを採用していた。このため、テープにかかる負荷が高く、テープが絡まるトラブルも多かった。また、古いVHSテープにはカビが生えていることも多く、ヘッドが傷む要因ともなっていた。これらを踏まえ、テープを不必要に引っ張らない、テープをヘッドに押しつけない、テープにヘッドが直接触れない、などをコンセプトに開発していく。
新方式のVHS再生機は、映像 / 音声出力端子は設けず、テレビにつないでの視聴は行えない。デジタルメディアへのダビングを主眼とし、本体に確認用の小型のディスプレイを設置する。ダビングは、数回のボタン操作で自動的にデジタル媒体へ行えるようにするという。
保存先のメディアにはmicroSDメモリーカード、USBメモリなどのUSB機器、ハードディスク、DVD-Rを使用する予定。DVD-Rへの記録時には、保存性に優れるMディスクも使用できるようになる予定だ。録画機能は搭載しない。