富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は、同社のPC「FMV」シリーズに搭載するAIアシスタント「いつもアシスト ふくまろ」のキャラクターを活用した「ふくまろゲームランド」の提供を開始した。
合わせて、PCのWebブラウザで気軽に遊べる無料ゲームサイト「FMVゲーム」を新たに開設し、7月7日からは日本棋院が運営する囲碁ネット対局サービスを提供。ポータルサイト「My Cloud」では、富士通のPC誕生40周年を記念したサンクスキャンペーンも実施する。
富士通クライアントコンピューティング コンシューマ事業部 事業部長の青山裕司氏は、「富士通は、独自のゲームを開発したり、多くのゲームをPC本体にバンドルして提供してきた歴史がある。コロナ禍においてパソコンの利用時間が増加しているなかで、パソコンの用途として上位に来るゲームに関するアプリ、サービスを拡充する」と語る。
新たな取り組みとして注目されるのが、ふくまろゲームランドだ。FCCLは「ふくまろ」というキャラクターを「もうひとりの家族」と位置づけ、AIなどの最新技術を活用して進化させてきた。愛らしいフォルムと、語尾に「~まろ」とつけるしゃべり方が人気で、PCを音声操作して音楽や写真といったコンテンツの再生、PCのカメラを活用した外出時の「お留守番機能」、IRコマンダーを使用した家電や照明の操作などが可能だ。
ふくまろはPC上でAIアシスタントとして機能するが、2021年6月に会話シナリオの拡大や、PC利用時の困りごとを自己解決するための機能追加などの強化を図った。印刷ができない、BIOSのアップデートができないといった質問にも答えられるようにしたほか、ふくまろに新たな機能が搭載された場合にプッシュ通知する仕組みも導入した。
「日常的に使われるような会話にも反応できるように、1,000以上のシナリオを追加した。今後は、会話のキャッチボールができるような進化をさせたい」(富士通クライアントコンピューティングコンシューマ事業部 第三技術部 若山雄己氏)
「プッシュ通知はさまざまな情報を提供できるが、ふくまろが持つ楽しさを損なわないような情報提供に活用していきたい」(富士通クライアントコンピューティング コンシューマ事業部 第三技術部 マネージャー 笹島俊洋氏)
ふくまろの特徴として、家族の一人ひとりを認識できる点がある。家族の一人が会話のなかで「ハンバーグが好き」と言ったことを記憶していると、ハンバーグに関するテレビ番組の放映予定をもとに、それを通知してくれるような機能もすでに実装済みだ。
ふくまろゲームランド
今回のふくまろゲームランドは、ふくまろファンが多いシニア層や子供などを対象に、簡単に遊べるゲームを用意。音声操作やマウスでプレイできる。ふくまろのかわいさと音声認識を合わせたゲームとなっているのが特徴だ。
「コロナ禍で外出が控えられるようになり、その結果、シニアの孤立が課題になっている。FMVシリーズはシニア層のユーザーが多いこともあり、標準搭載しているふくまろで何かできないかと考えた。デザインセンターも巻き込み、テレワーク環境で企画を進めていった。ふくまろには、便利な機能を使える機能的価値だけでなく、かわいがりたい、成長させたいといった情緒的価値がある。今回のふくまろゲームランドは、情緒的価値を追求したもの」(富士通クライアントコンピューティング コンシューマ事業部 第三技術部 千葉祐太氏)
「ふくまろの世界観を崩さずに、シニア層や小学生が楽しめるデザインを心がけた。ゲームの内容も、やりこむものではなく、簡単にできるということを前提にしている」(富士通 デザインセンター プロダクトデザイン部 三澤建人氏)
開発過程では、実際に8歳の小学生や60代のシニアにプレイしてもらい、ゲームバランスや文字の見やすさに改善を加えていったという。
ふくまろゲームランドは、表現性や操作性などを高めるために、ふくまろとは別のアプリとして提供。まずは音声で楽しめるミニゲームとして、「計算でふうせんBANG!」、「じーっとθθおぼえてHIT!」、「えらんで!ものしりQ」の3種類を用意。いずれも無料で楽める。
「計算でふうせんBANG!」は、画面下部から上がってくるふうせんに書かれた足し算や引き算の答えを音声で答え、正解するとふうせんが割れ、ポイントが得られるゲーム。
「じーっとθθおぼえてHIT!」は、カードに書かれた絵を一定時間内に覚え、ふくまろの質問に答えながら、カードの場所を当てるというゲーム。
「えらんで!ものしりQ」は、ふくまろが出すクイズの答えを音声やマウスのクリックで答えるゲームだ。
「声でゲームを楽しめるのが、ふくまろゲームランドの強み」(青山事業部長)
ふくまろゲームランドはWindows 10搭載のFMVシリーズが対象となり、Microsoft Storeからアプリとしてダウンロードする。順次、ゲームの種類を拡充する予定となっており、10種類程度まで増やしていく考えだ。ジグソーパズルや反射神経を試すようなゲームの試作も進んでいるという。
「今後も、ふくまろは進化していく。ふくまろを通じた家族同士のつながりや、見守りサービスの提供などにも広げていきたい」(千葉祐太氏)
また、FCCLは「ふくまろDash(仮称)」と呼ぶ新たなサービスも検討している。
「ふくまろの新たな機能として、パソコンを使って家族同士がつながる機能を2021年夏に提供する予定。さらに、専門家や企業などとの連携によって、リモートを活用した各種サポートも提供していく」(青山事業部長)
Webブラウザで遊べる「FMVゲーム」サイト
FMVゲームは、アプリのインストールが不要で、PCのWebブラウザだけで遊べる無料ゲームサイトだ。ソリティアや大富豪などのトランプゲーム、ナンプレやナンクロといったパズルゲームのほか、クイズ、アクションをはじめとするさまざまなジャンルの定番ゲームから、オリジナルゲームも用意。息抜きとしてもぴったりだろう。
7月7日からサービスを開始したFMV囲碁ネット対局「幽玄の間」は、日本棋院が運営する囲碁ネット対局サービスを、FMVユーザー向けに提供するものだ。初心者から有段者まで、全世界の囲碁ファンとオンラインで対戦する環境を提供するほか、国内7大タイトル戦などのプロ棋戦や、国際戦をリアルタイムで観戦できる。さらに、棋力を上げたいユーザーには、動画講座や棋譜解説などを参照できるコースも用意した。
「幽玄の間」は月額2,200円で、オンライン対局数は無制限、一般ユーザー同士の対局観戦、プロ棋士の対局中継観戦、各種イベントへの参加、日本棋院免状申請といった内容だ。ここに、プロ全対局結果の速報、囲碁ニュース、動画講座、段級位の毎月チャレンジなどが加わる「幽玄の間・セット割」は月額2,750円。いずれもポータルサイト「My Cloud」のプレミアム会員は2カ月間無料で利用できる。
富士通パソコン誕生40周年記念サンクスキャンペーン
7月7日からは、「富士通パソコン誕生40周年記念サンクスキャンペーン」も始まっている。富士通が初のPC「FM-8」を発売したのは1981年5月。それから2021年で40周年を迎えたことに合わせたものだ。
ポータルサイト「My Cloud」で毎月変わる「お楽しみコンテンツ」をクリアすと、キャンペーンへの応募が可能に。応募者の中から抽選で「現金キャッシュバック10,000円」などの賞品が毎月当たる。
お楽しみコンテンツの第1弾は、ふくまろの絵合わせゲーム。絵合わせパズルを完成させるとキャンペーンに応募できる。応募は1日1回だが、毎日応募すれば当選確率が上昇する。今後のお楽しみコンテンツとしては、富士通パソコン40周年記念クイズなども予定しているという。