デジタルオークションにおいて、最古のツイートの権利が2,915,835.47ドル(1630.5825601イーサリアム、約3億1700万円)で落札された。出品したのは、Twitterの創業メンバーの1人であり、現CEOのジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏。同氏はオークションの収益をビットコインに換え、貧困層を支援する非営利団体「GiveDirectly」に寄付した。
落札されたのは、2006年3月22日の「just setting up my twttr」というドーシー氏によるツイートだ。メッセージ性のないマイクテスト的なツイートだが、これが最初のツイートとして認められている。同氏は初ツイートを、NFT(Non-Fungible Token、代替不可能なトークン)としてツイートの権利を売買できるサービスプラットフォーム「Valuables」(Cent) でデジタルオークションに出品。1ドルから始まった入札は、オークションが報じられると共に高騰して1日で150万ドルを超え、最後はブロックチェーン技術のBridge Oracleを率いるシーナ・エスタビ(Sina Estavi)氏が約291万ドルで落札した。
取り引きに用いられたNFTは、ブロックチェーンを使ってデジタルコンテンツの正当性を裏付ける仕組み。デジタルコンテンツは簡単にコピーできるため、本物とその他のコピーを区別できなかったが、優れた改ざん耐性を持つブロックチェーンによって作者や所有者の情報、取引履歴などを管理することで、デジタルコンテンツに本物の価値を付与する。
アート作品、トレーディングカード、NBAの試合映像、ゲーム内アイテムなど、様々なデジタルコンテンツにNFTが活用され、NFT市場が急成長し始めている。老舗オークションハウスChristie'sもNFTオークションに参入、3月11日にデジタルアート作家ビープルの「Everydays: The First 5000 Days」が69,346,250ドル(約75億円)で落札された。NFTによるデジタル資産の取り引きが活発化する中、ツイートのデジタル資産価値がどのように評価されるか、ドーシー氏のツイートへの入札額が注目を集めていた。
Valuablesで売買されるのはツイートのデジタル証明書であり、ツイートの権利が移っても、そのツイートはTwitterに残る。また、ツイート投稿者がツイートを削除したとしても、その所有権はデジタル証明書とメタデータで証明される。最初の取り引きではValuablesが5%の手数料を徴収し、95%をツイート投稿者が受け取る。転売された場合、87.5%が売り主、10%がツイート投稿者、2.5%がValuablesという分配になる。