Amazon自身が中古品を販売する「Amazonアウトレット」をご存じですか? 実際の商品の写真は掲載されていないので、「キズなどの状態が確認できないから不安だな…」と及び腰になりがちなのですが、実際は新品同様の場合も少なくない様子。価格は新品と比べて2~3割安いことが多く、お買い得感の高さはブラックフライデーやサイバーマンデーなどのセールを超えることも。“毎日が宝探し”といえるAmazonアウトレットの魅力や注意点をチェックしていきましょう。
商品の状態が分かりづらく、手を出しづらい
Amazonのブラックフライデー&サイバーマンデーセールが終了し、「当分はお買い得品を探すワクワクとはお別れだな…」と肩を落としている人もいるでしょう。しかし、実はAmazonには毎日特価品がコッソリ用意されているんです。
それは「Amazonアウトレット」。いったん販売されたものの返品された商品や、流通の過程で梱包にキズや汚れが付いて新品としては販売できなくなったものを、Amazon自身が中古品として販売するものです。Amazonアウトレットのページから商品を一覧で参照できるほか、検索窓で「Amazonアウトレット」を指定すれば簡単に検索できます。
しかし、Amazonアウトレットの中古品は実際の商品の写真がなく、4段階のコンディション表記とともに商品の状態をコメントで記載しているだけ。コメントもきわめて簡潔で、細かく把握できません。状態は問題ないのかが不安になり、手を出しづらいと感じました。
「商品の数か所に小さな傷」が気になるも、確認する手段はナシ
画面の情報を見ていてもらちがあかないので、実際にAmazonアウトレットの商品を買って確かめることにしました。購入したのは、USB Type-C接続に対応したデルの27型4K液晶ディスプレイ「U2720QM」。同社の「U2720Q」のAmazon専売品で、付属ケーブルが一部異なる以外はU2720Qと同一の内容です。
Amazonでは通常、税込み59,800円で販売されているのですが、Amazonアウトレット扱いの中古品が税込み46,505円で出ているのを発見! 通常価格と比べると13,000円以上の割引で、かなりお買い得な価格が設定されていました。
思わず「これは即買いだ!」と思ったものの、「カートに入れる」ボタンをタップする寸前で指が止まりました。コンディション表記です。記載されていたコンディションは「可」で、しかも「商品の数か所に小さな傷があります」との気になるコメントも。
Amazonアウトレットのコンディション表記は「ほぼ新品」「非常に良い」「良い」「可」の4段階で、「可」は実に一番下のコンディション。Amazonアウトレットのヘルプページによると、「可」の商品は「梱包が破損しています。商品に傷がありますが、使用の妨げにはなりません」という内容で、まさに“キズモノ”といった印象。Amazonアウトレットでは、実際の商品の写真は掲載されないため、写真で状態を確認することはできません。「画面にキズが付いているからこんな安くなっているのかな…?」と悩みました。
しかし「ソフマップやじゃんぱらなどの中古販売店でも、最新の人気モデルがここまで安くなることはない!」と思い、意を決して注文しました。決済など注文の流れは通常の新品と同じで、アカウントを登録していればスイスイと手続きが進みます。Amazon扱いの商品なので、送料ももちろん無料。サクッと注文が完了しました。
ボロボロの箱が届いて不安になるも、まさかの大逆転
後日、待ちに待った商品が到着したのですが、届いた商品を見て思わず青くなりました。化粧箱には宅配便の伝票をはがした跡やガムテープの跡がいくつも残り、過去に第三者の手に渡った中古品であることが明らか。「箱がこんなにボロいということは、中身もそれなりなのか…」と一気に不安になりました。
さらに、「Amazonアウトレット」と印刷されたレアな透明テープをカットして箱を開けたところ、段ボールや梱包用のビニールが一度開封した痕跡アリアリで雑に納められているのが目に入り、再びため息がもれました。
しかし、ここから奇跡の逆転劇が始まったのです! メインのパネルユニットが納められた保護用のビニールを取り外したところ、意外にも汚れ1つないピカピカのパネルユニットが顔を出しました。スタンドも同様で、使用感どころかキズ1つすら見当たりません。まったくの新品同様です。MacBookと接続したところ、動作は問題ないばかりか、ドット抜けもありません。ボロボロの化粧箱を見たときの沈んだ気持ちはすでにどこかに吹き飛び、釣りで思いがけない大物を釣り上げた時のようなホクホク感でいっぱいになっていました。
キズや使用感のある商品は販売しない!?
結果的に大満足の買い物となったわけですが、こうなると商品ページに記載されていた「可」のコンディションと「商品の数か所に小さな傷があります」のコメントは相当大げさだったことが分かります。確かに化粧箱は破損していましたが、商品自体にキズや汚れは一切なかったからです。
アマゾンジャパンに販売の方針や表記の基準はどうなのかを問い合わせたところ、「価格や商品状態の表記に一定の基準を設け、お客様の購買体験の向上に努めております」というふんわりとした回答しか得られませんでした。推測にはなりますが、「記載していたコンディションよりも状態がよくなかった」といったクレームを避けるため、あえて実際よりもコンディションを低く設定しているのではないかと考えられます。訴訟大国アメリカに本社を置くAmazonだけに、無用なクレームを避けるためにそのような基準にしている可能性は十分あり得ます。
中古品にもかかわらず新品同様だったのは、キズや使用感のある中古品は販売しないようにしている可能性が考えられます(この点もアマゾンジャパンからの回答はありませんでした)。Amazonアウトレットのヘルプページを見ると、返品された商品のうち「商品の状態が良いものを販売する」と記載しており、中古品販売の基準を高く設定していることがうかがえます。おそらく、キズや汚れがあるものはAmazonの担当者による検品の段階ではねられ、Amazonアウトレットでは販売せずに中古業者など別のルートに流すのだと考えられます。
そもそも、日本では返品されてくる商品は新品同様のものばかりな可能性もあります。日本人は「ちょっとでも使ったものを返品するのは失礼。キズや汚れが付いてしまったならばなおさら」という慎ましい考えを持つ人が多いとみられるからです。
「Keepa」で入荷頻度をある程度推測できる
Amazonアウトレットは、どのような商品がいつ入荷するかは分かりませんが、入荷の頻度や販売価格はある程度推測できます。Amazonでの販売価格の推移がグラフで確認できる「Keepa」を利用することです。価格推移グラフで「×」で示されているのがAmazonアウトレットの在庫履歴なので、どのような時期にいくらで販売されたのかが過去にさかのぼって振り返れます。おおよその傾向は把握できるので、「1週間に1度ぐらいはAmazonアウトレットで入荷しているので毎日チェックする価値はある」「まったく入荷していないのであきらめよう」といった判断ができます。
このように、Amazonアウトレットは新品同様の商品が低価格で購入でき、相当魅力的な内容であることが分かりました。もちろん、すべての商品がこの通りとは限りませんし、常に在庫があるわけではないので「今すぐ必要」という買い物には向きませんが、フリマアプリやネットオークションで購入するよりは価格や安心感、満足度は確実に高いといえます。新品と同様の返品制度も用意されており、万が一満足できなかった場合は返品できる点も安心できます。
タイミングがよければ、ブラックフライデーセールやサイバーマンデーセール、プライムセールに匹敵する割引率で新品同様の中古品が買えるAmazonアウトレット。「いつか手に入れたい」と考えている商品があるなら、チェックしておいてソンはありませんよ。