5月27日、トレンドマイクロは2020年の戦略発表会を開催しました。トレンドマイクロ株式会社代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏は来日できない事を詫びたのち、今年の戦略や、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けたトレンドマイクロの貢献策を紹介しました。

  • トレンドマイクロ代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏。今回はビデオ登壇のみ(写真は2019年の事業戦略会から)

新型コロナウイルスの感染拡大防止に絡め、働く環境が変わるなかで(会社や自宅など)よりシームレスに、重要なデータにアクセスする必要があるとし、同社は2020年はクラウドセキュリティの拡張やSaaSモデルへの移行加速、IoT関連ビジネスの推進強化などへ注力するとのこと。

個人に関わりそうなセキュリティ戦略としては、「リモートワークにも対応するSaaSラインナップの拡充とホームネットワークセキュリティ」や、「家庭からのインターネット接続を安全にするための、通信事業者によるセキュリティサービスのプラットフォーム展開」などが挙がりました。

在宅勤務では家庭内ネットワークの安全性を検知する事が重要な要素の一つになりますが、そこにウイルスバスター for Home Networkを取り上げていたのがユニークでした。以前ウイルスバスター for Home Networkを試用したことがありますが、家庭内デバイスに対する攻撃をかなり細かくレポートしていたので、情報システム部門のデータ収集の一環として使えそうな印象を持ちました。

  • 在宅勤務・リモートワークに向けたソリューションも展開。ウイルスバスターfor Home Networkは以前からある製品ですが、これを企業セキュリティの中に取り込んだのが新鮮です

新型コロナウイルス問題に対するトレンドマイクロの取り組みとしては、まず在宅勤務を推進しつつ、(日本の緊急事態措置は現在解除されていますが)おおむね6月下旬までは基本在宅勤務を維持し、その後も柔軟に対応すると言います(なお、説明会終了後にトレンドマイクロに電話したところ、在宅勤務中なので担当者に個別に電話して欲しいと案内が流れていました)。

また、「雇用を守る」という発言もあり、コロナ危機にあっても、トレンドマイクロは仕事も人も減らさず、仮に収入がゼロになっても2年間は持ちこたえる手持ち資金があると強調していました。

  • COVID-19に対するグローバルのトレンドマイクロの社会活動

  • 医療機関/流通業へのマスク寄付の他、社員が3Dプリンタでフェイスシールドを自作して寄付を実施。このほか、社員が現金の寄付を行う場合にトレンドマイクロが追加負担を行う「Give and Match Program」を継続的に行っています。通常は社員の寄付と同額の追加を行っていましたが、今回は10倍(社員が1万円を寄付するとトレンドマイクロが10万円追加寄付)となっており、現在までに50万ドルが寄付されました

  • 日本では正社員だけでなく、コールセンターを中心とした派遣社員も減らさないように協力をお願いしたほか、日本独自の支援策として「食料支援が必要な子どもへのお弁当に対する手配支援」を実施しているといいます