米AMDは11月7日、Ryzen 9 3950Xや第3世代Threadripperなどについて情報を公開した。元々AMDはTwitterの公式アカウントで9月21日、Ryzen 9 3950Xと第3世代Threadripperを11月に量産出荷開始すると発表したものの、その後は続報が無い状態だった。
Ryzen 9 3950Xがようやく発売へ
さて、まずはそのRyzen 9 3950Xについて。今年6月のNext Horizon Gamingでのチラ見せでRyzen 9 3950Xのスペックが公開されたが、発売日が2か月伸びた以外はそのまま、11月25日に出荷開始が発表された(Photo01)。この結果として、第3世代Ryzenはこんな価格体系となった(Photo02)。
ちなみに6月のPreviewでは性能についての言及は無かったが、今回はSingle-Threaded Benchmark(Photo03)、1080P Gaming(Photo04)、Multi-Threaded Benchmark(Photo05)と消費電力及び性能/電力比(Photo06)が示されている。
ちなみに新しく搭載された機能としてECO-MODEの存在がある。これはTDPを65Wに落として稼働させるというもので、性能は23%ほど落ちるが、消費電力は44%削減可能で、CPU温度も7℃下げられるというものである(Photo07)。なおその消費電力に絡むが、フル稼働させる場合には280mm以上のラジエターの幅を持つ簡易水冷クーラーが推奨とされている(Photo08)
初公開のAthlon 3000はとにかく格安
次は今回初めて発表となった、Athlon 3000である(Photo09)。こちらは11月19日発売で、価格は$49となっている。この$49という価格は凄まじい。というのは、Athlon 240GEが$75で発売されており、ここからちょっとだけ性能を引き上げ、しかもアンロックにしたものを大幅値下げしているからだ。
対抗馬はIntelのPentium G5400という事で、素で比較した結果がこちら(Photo10)であるが、更にコアの動作周波数を3.9GHzまで引き上げた結果がこちら(Photo11)となる。こちらは12nmプロセスでの製造ではあるが、エントリレベルのCPUとして、恐ろしく価格性能比の良い製品になったと考えられる。
第3世代Threadripperの全貌も見えた
さて最後がThreadripperである。第3世代のThreadripperであるが、ラインナップは24Core/48Threadの3960Xと、32core/64Threadの3970Xの2製品がラインナップされた(Photo12)。価格はそれぞれ$1399と$1999である。これは第2世代の2970WX/2990WXの後継、という位置づけにあるようで、2920X/2950Xの後継はRyzen 9 3900X/3950Xが担うという形に整理された様だ。
実際示されたベンチマーク(Photo13)は、明らかにワークステーション向けのものとなっている。
問題はプラットフォームで、今回あたらしいTRX40プラットフォームが提供されることになったが、これは従来のTR4のプラットフォームと互換性が無い。CPU自身にも互換性がなく、従来のTR4に今回の第3世代Threadripperを装着することは出来ないという話であった(当然逆も無い事になる)。
ちなみにTDPは3960X/3970X共に280Wという、なかなかのものである。ただそもそも動作周波数がかなり高い事を考えると、ほぼRyzen 9 3950Xが2つ+巨大なI/O Chipletの分を考えれば、まぁ無茶な数字とも言い難い。加えて言えば、合計72レーンのPCIe Gen4をフルに使えば、このI/O Powerも馬鹿にならない筈で、280WにはこのI/O Power用の分も含まれていると思われる。
ところで発売時期だが、こちらも11月25日の出荷開始とされている。ただし現状、どの程度のマザーボードメーカーがSocket TRX40に対応した製品を発売するか、現状では不明である。