ブラウン(P&G)は10月10日、電動歯ブラシ「ブラウン オーラルB」シリーズのフラッグシップモデル「ジーニアスX」を発表しました。新製品はスマートフォンとの連動により、ブラッシングの偏りを減らす「人工知能ブラッシング認知機能」を搭載しています。発売日は10月下旬、価格はオープン、推定市場価格(税別)は34,800円前後です。
ブラッシングエリアを認知してクセによる磨き残しをなくす
ジーニアスXで最大の特徴となるのは、AIによる認知機能。従来のジーニアスシリーズでは、スマートフォンのカメラ機能を使って「現在磨いているエリア」を認識していました。一方、ジーニアスXは本体内に傾きセンサーや加速度センサーを内蔵。ブラシの動かし方や移動スピードをセンシングします。
このセンシングデータと、ブラウンが持つ数千人分のブラッシングデータパターンをAIが判断し、ユーザーが現在歯のどのエリアを磨いているか、どこが磨き残されているかをリアルタイムで判断できるといいます。このため、歯磨き時にスマートフォンのカメラをセットするといった面倒な前作業がなくなりました。
「現在磨いているエリア」は、リアルタイムでスマートフォンの専用アプリ「Oral B」に送られ、アプリ上で「きちんと磨けたエリア」「磨き残しのあるエリア」をガイドします。
ブラウンによると、人は右利き、左利き、歯並びなどから、どうしても「磨きグセ」と「磨き残ししやすい部分」が出てくるそうです。ブラウンの調査では、調査対象の約8割が1カ所以上に磨き残しがあり、約6割が奥歯の裏をほとんど磨けていなかったとのこと。ジーニアスXとOral Bアプリを利用することで、無意識に磨き残していたエリアもきちんと磨けるようになると強調します。
しっかり磨いて歯ぐきにやさしい回転ブラシ
今回の新モデルでは「磨き残し」をしない機能が搭載されましたが、オーラルBシリーズは基本性能の高さでも人気があります。特に注目したいのがブラッシング方式。
各メーカーが手がける電動歯ブラシのプレミアムモデルは、超音波タイプの製品がほとんど。そんななか、ブラウン オーラルBは、丸形の回転ブラシで歯垢を「こすりとる」物理的な歯垢除去方法を採用しています。丸形のブラシは歯を包み込むようにブラッシングするので、磨き残しが多くなりがちな歯間の歯垢なども除去しやすいそうです。ブラウンは、オーラルBの歯垢除去能力は手磨きと比較して99.7%もアップすると自信を見せます。
歯垢をブラシの回転で物理的に「こすりとる」というと、歯ぐきへのダメージが気になります。ブラウンは、歯ぐきへのダメージも手磨きより少ないといいます。新製品発表会では、白いバラに青い粉をふきつけて、手磨きとオーラルBで粉を落とすデモンストレーションを披露。手磨きでは、粉を落とそうとするとバラがグラグラと揺れるくらいブラシを押し付ける必要がありましたが、オーラルBでは粉をきちんと落としつつも、ほとんどバラに衝撃がありませんでした。
また、ジーニアスXはアプリ上でブラシ圧が強すぎることを注意するだけではなく、ブラシ圧が強いと本体が赤く光る押し付け防止センサーも搭載しています。アプリを使用しないブラッシングでも、ブラシ圧をコントロールしやすいのが便利です。ブラシ圧が高すぎる場合は、ブラシの上下運動が自動的にストップし、振動もソフトなモードに切り替わるといった歯ぐきをいたわる機能も搭載しています。