楽天カードをかたる不審なメール

駒場さん: 「最後は楽天カード。これはマルウェアに感染させることを目的としています。メールに載っているURLをクリックして、ダウンロードしたファイルを開いてしまうと、マルウェアに感染する可能性があります」


瀬尾: 「マルウェアに感染すると、どうなってしまうんですか……? 」


駒場さん: 「マルウェアに感染していると、オンラインバンキングのID、パスワード、クレジットカード情報など個人の情報が知らぬ間に攻撃者に盗まれてしまいます。身に覚えのないメールに書いてあるURLは、クリックしないようにしてください」


  • 筆者宛に届いたメール。URLをクリックするとマルウェアに感染する恐れがある

    瀬尾宛に届いたメール。URLをクリックするとマルウェアに感染する恐れがある

瀬尾: 「知らない間に情報を盗まれてしまうマルウェアに感染するなんて、恐ろしいメールだなあ。それに、このメールだけ文章の正しさというか、完成度が高すぎじゃありません? 」


駒場さん: 「おそらく本物の楽天カードが過去に送ったメールの文面を流用しているのでしょう。メール記載のURLも、本物の楽天カードと同じサイトURLを使っていますし」


瀬尾: 「えっ。楽天カードと同じサイトURLということは、楽天カードのWebサイトにつながるんですか? それなら大丈夫じゃ……」


駒場さん: 「そんなまともなワケないでしょう。メールに書いてあるURLと、実際の飛び先のURLが違うんです」


瀬尾: 「ええええっ! 飛び先のURLが違う? 楽天カードを持っていない人は気にしなければいい話ですが、持っている人はメールが偽物だと見抜けるんでしょうか」


駒場さん: 「うーん、それが難しい。身に覚えがない場合は、運営会社に直接メールや電話で聞くのが一番いいでしょう。こんなメール送りましたか、というように。しつこいようですが、安易にメール記載のURLをクリックしてはいけません」


瀬尾: 「問い合わせるのは面倒くさい……。あ、僕らの世代だと、Twitterに投稿して意見を求めるというのもありかもしれないですね。こんなメールが来てたんだけど本物かな、誰か教えて~みたいな(笑)」


駒場さん: 「そういうやり方もありかもしれないですね。楽天からフィッシングの疑いがあるメールが来た時に、Twitterの検索欄で『楽天 メール』と調べれば、同じようなメールを受け取っている人がつぶやいているかもしれません。もっとも確実なのは、運営会社に直接メールや電話で聞くことでしょう」


瀬尾: 「今度から確認してみます! このほかに見抜く方法ってありますか?」


駒場さん: 「メーラーによってはマウスのカーソルをURLに置くと、実際の飛び先のURLが表示されるので、本物のサイトのURLと見比べてみるという手もあります。確認する際は、URLをうっかりクリックしないように慎重にやってください」


瀬尾: 「それだと間違ってクリックしてしまうかも。ちゃんと送信元となっている会社に聞きます」


駒場さん: 「そして聞くときも、公式Webサイトで問い合わせ先をきちんと調べてから質問しましょう」