米Microsoftは11月8日 (現地時間)、Windows InsidersのFastリングにPC向けの「Windows 10 Insider Preview Build 17035」の提供を開始した。女子高生AI「りんな」による日本語IMEの入力候補サポート、Microsoft Edgeの「Mute Tab」、近くのWindows 10 PCとワイヤレス経由でファイル/データを共有する「Near Share」など、数多くの新機能の実装が行われている。
りんなはディープラーニング技術と機械学習のクラウドサービス「Azure Machine Learning」を組み合わせて開発されたAIであり、自然な会話を通じてユーザーと感情的につながるようにデザインされたチャットボットだ。LINEにおいて600万人以上と交流しており、人々とのコミュニケーションを通じてりんなが蓄えた知識が日本語IMEの入力候補に活かされる。例えば、「ちょっとま」と入力すると、「ちょっとマテ茶✋️(^し^)」が候補に現れるというように、トレンドを反映したフレーズや新語などの入力をサポートしてくれる。りんなによる入力サポートはビルド17030から利用できるようになっているが、標準では無効になっており、IMEのプロパティの「詳細設定」「予測入力」で有効にする。
入力関連では、XAMLタッチキーボードのバックグラウンドにアクリル効果が採用され、標準タッチキーボードのレイアウトのサポートが190言語以上に拡大された。ただし、日本語、韓国語、中国語などでは、まだサポートされていない。また、手書きパネルのボタン表示のUIが改善された。単語と単語の間にスペースを加える時に、垂直の線を引くジェスチャーで入れられるようになった。
Mute Tab (タブ消音)は、Microsoft Edgeで開いているWebページのオーディオストリーミングの消音/出音を、タブに表示されるオーディオアイコンのクリックで切り替えられる機能。同機能は、タブ上でのコンテキストメニューからも利用できる。
また、Microsoft EdgeのEPUBブック機能に無料のEPUBブックを保存できるオプションが用意され、コンテキストメニューに「View in Microsoft Store」「Pin to Start」「Refresh books」といったオプションが加わった。
Near Shareは、近くにあるWindows PCに画像やドキュメントといったファイルやURLなどをBluetooth経由で送信する機能。アクションセンターでBluetoothとNear Shareをオンにし、フォト、Microsoft Edgeなど対応アプリケーションで共有アイコンをクリックすると (File Explorerは右クリックで「共有」を選択)、Bluetoothの通信範囲にあるNear Shareを利用できるPCがリストされるので送信するPCを選択する。相手が受診を許可したら送信が始まる。