パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は4日、カーナビ「ストラーダ」シリーズの新製品として、視認性と操作性が向上した大画面の「CN-F1XD」(以下F1XD)をはじめとする3機種8モデルを発表した。F1XDの推定市場価格は18万円前後(税込、以下同)で、発売は11月上旬を予定している。

SDカーナビステーション ストラーダの新製品「F1XD」が登場。9V型の大画面で、従来製品に比べて視認性や操作性が向上している

見やすさ、操作しやすさ追求のF1XD

F1XDは、同社が提供しているSDカーナビステーション ストラーダの新製品。従来モデルから視認性を大幅に向上させた。まず、ディスプレイをコンソールから浮かせるフローティング構造を進化させた「DYNABIGスイングディスプレイ」を新搭載して、左右に各15度ずつ角度を変えられるようした。車種別専用パネルを使用しないのも特長のひとつで、このため280以上の車種に取り付け可能だ(2017年8月31日現在)。

DYNABIGスイングディスプレイにより、左右に各15度ずつ角度を変えられる。車種別専用パネルを使用しないことにより、280以上の乗用車に取り付けられる

液晶パネルには、光の反射を抑えたIPS液晶を採用。新搭載「ブリリアントブラックビジョン」により、外光の映り込みを極力抑えた。明るさは従来比約1.5倍になったほか、コントラスト比も400から900に向上。画面ぶれにも配慮しており、悪路走行時にも画面が揺れずに見やすくなっている。

屋外の実車では、外光の映り込みが低減されていることが確認できた。映像入力はRGB(ナビゲーション画面)で、画素数は2,764,800画素(タテ720×ヨコ1280×3)

操作性も向上している。指に素早く反応し、滑らかに画面が動く「ダイレクトレスポンス」を新搭載。地図が指先に吸い付くように反応するほか、フリックのスピードにも機敏に反応するため、より直感的な操作を行えるようになっている。

サイドフレームには、高級感のあるブラックアルミを採用。ダイヤカットのエッジが引き締まった印象を与える。Blu-ray再生機能など、エンタメ要素も充実している

このほか、エンタメ要素もさらに充実した。従来モデルと同様にBlu-rayディスクの再生に対応。本機種では「黒」の再現力が向上したことで、映像視聴の楽しみも広がった。音質面では、Blu-rayに収められたリニアPCM形式ハイレゾオーディオに対応しており、非圧縮の高音質192kHz/24bitのハイレゾ音源を車内で楽しめる。また、FLAC、WAVフォーマットのハイレゾ音源も、SDカード、USBを通して再生可能になった。

ちなみにF1XDの発売にあわせ、外観やデザインがF1XDとほぼ同一で、いくつかの機能を制限した姉妹機「F1SD」を発売する。こちらの推定市場価格は17万円前後。また、発表会のプレゼンでは詳細な説明は行われなかったが、7インチの製品(合計6モデル)も10月中旬に発売する予定。Blu-rayが再生できるRXシリーズの推定市場価格は12万円前後、直感的な快適操作を実現したRAシリーズは9万円前後、REシリーズは8万円前後となっている。

7インチのRXシリーズ、RAシリーズ、REシリーズをそれぞれ10月中旬に発売予定。推定市場価格は8万円~12万円前後となっている

発表会で登壇した同社 インフォテインメントシステム事業部の荻島亮一氏は、「AV一体型カーナビの需要は、10万円以上のハイモデルと6万円以下のスタンダードモデルの二極化が進んでいる。経済の中心がモノからコトへと大きくシフトチェンジする中、市場成長のカギは、消費者のライフサイクルにいかに貢献できる製品を作れるかだと感じている。弊社では若い方、シニア、女性まで積極的にドライブを楽しめる環境づくりを進めていきたい」と語った。

インフォテインメントシステム事業部 市販・用品ビジネスユニットから、ビジネスユニット長の荻島亮一氏(左)と市販事業推進部 部長の高島浩二氏(右)

同事業部 市販・用品ビジネスユニット 市販事業推進部 部長の高島浩二氏は、2017年の新車販売について100%(ほぼ横ばい)で推移すると予測。その数を424万台と見込んでいる。同社では大画面需要が増加するとの予想から、F1XDをはじめとする10万円台以上の製品の販売に引き続き注力するという。月産台数はF1XDで2,000台、F1SDで1,000台を予定している。高島氏は「今後もユーザーの期待に応える製品を投入していきたい」と意気込んだ。