ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)と保険販売会社のアイリックコーポーレーションは共同で、保険加入希望者と保険募集人のマッチングサービス「ほけんのコーデ」を開始した。DeNAのFinTech参入第一弾として興味深いサービスだが、実際の保険業界に与えるインパクトはどのようなものだろうか。

保険の販売もパーソナリティが重要視される時代

街を見ればあちこちに保険の販売店が見られるようになり、無料相談なども容易に受けられる昨今だが、現実の販売シーンでは実際に顧客と保険募集人が会って商談しても成約に至らないケースの割合が高い。商談に至るということは購入意欲は高いはずなのにどうして成約しないかを調べると、営業スタイルなどで「保険募集人との相性が悪かった」という理由が意外なほど高いのだという。

DeNAで本サービスを指揮する坂東龍部長によれば、保険募集人の付けていたネイルが趣味に合わなかったという理由で購入をやめた、というケースすらあるという。インタビューの結果、保険の購入の決め手となった理由のうち、商品の魅力と保険募集人の魅力の割合は、6:4、あるいは5:5にもなるという。保険募集人自身の魅力や顧客との相性は、商品力並みに重要なポイントということだ。

「ほけんのコーデ」のターゲットとなる20代~30代の女性へのインタビューで、購入に至らなかった理由を問い合わせた結果。商品知識だけでなく営業時の応対も大きな要因となっているのがわかる

そこで「ほけんのコーデ」では、ユーザーが匿名で保険商品に対するニーズの診断を行い、それに対して保険募集人がアドバイスのメッセージを送り、その中から保険募集人を選んで面会に移る、という仕組みになっている。最初の診断テストは3~5分程度で終わるもので、メールアドレスを登録しておけば、3日で3件程度のアドバイスが届くという。

顧客の個人情報は実際に面会の打ち合わせをメールでやり取りする前までは保険募集人に開示されない仕組み。また募集人側の評判等を見える化していく計画もあるという