本稿は4Kテレビと放送の現状を整理し、4Kテレビの可能性について考察している。今回はシャープに趣き、「AQUOS(アクオス) LC-60UD20」と「AQUOS 4Kレコーダー TU-UD1000」を使用して、「Channel 4K」を実際に視聴した。4Kは現行のハイビジョン放送とどの程度の差があるのか……そして、2014年の時点で4K視聴環境を揃える意味についても考えてみたい。
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圧倒的な情報量の多さが生み出す臨場感
Channel 4Kが放送されているのは、「スカパー!プレミアム」の502ch。LC-60UD20の入力をTU-UD1000に切り替え、スカパー!プレミアムの番組表を表示させると、他のスカパー!プrミアムのチャンネルと一緒に、Channel 4Kの番組一覧も表示される。もちろんChannel 4Kのみの番組表を表示させることも可能だ。ここから選局や録画予約を行うことができる。
TU-UD1000に録画した4Kタイトルは、下の写真のように一覧で表示される。この一覧からワールドカップの「コロンビア×ウルグアイ」を視聴し、それとBSのハイビジョンで放送された別の試合を録画したものを見比べてみた。著作権の関係で、放送されている画面をそのままここに掲載することはできないのだが、映像の感想を述べてみたい。
4Kとハイビジョンの差は非常に大きい。4Kではっきりと見えるグランドの芝生は、ハイビジョンではのっぺりとした緑の面になってしまう。また、4Kではスタンドの観客一人一人がはっきりと映し出されているが、ハイビジョンではそこまではっきりと判別できない。
サッカーの試合なので、画面上にはスコアや時間などの文字が表示されているが、ハイビジョンでは、この部分にジャギーが発生しており、ブロックノイズも見られる。一方、4Kではそのようなことがなく、斜めの線も斜めに正しく表示される。4Kとハイビジョンでは、DVDの映像とBDの映像を比較しているぐらいの違いを感じる。
解像度だけでなく、動きの面でも差が大きい。4Kの場合、もともとの放送が60Pで作られているため、カメラがボールを追いかけてパンしても、ボールの動きがはっきりと表現される。一方、ハイビジョンの映像ではカメラが動くとぶれが発生してしまうことが多い。
ここで、シャープが用意した4K映像のサンプル画面をいくつか掲載したいと思う。
1枚目の写真は、ニュージーランドの風景を映したものだ。細かなディテールも忠実に再現されている。2枚目の写真は、建物の廊下を撮影したものだ。2Dの映像なのだが、実際に見ると、奥行き感がリアルに再現されているように感じられる。