バンダイナムコグループのメガハウスは5月28日、ティーンズ向けスマートフォン「Fairisia フェアリシア」を発表した。2014年7月下旬より、全国のトイザらスほか玩具取扱店を通じて販売を開始する。ここでは同日に開催された発表会の様子をお伝えしたい。
記者発表に先立ち、メガハウス代表取締役社長の奥山嚴氏は、子供向けモバイルサービス事業への参入を表明し、同事業を通じて「次世代の遊びのスタンダード」を築きたいと述べた。
また、「ティーンズ向けモバイル市場は年々成長を続けているものの、親の立場から見ると、長時間の使用や勝手にアプリを購入されないかなど、現行のサービスに不安や不満を抱いている方も多い」と分析。
一方、子供の立場では、子供っぽいデザインや玩具のようなものではなく、大人が使用しているスマートフォンのように"本物志向"が高まっているという。そこで今回、10歳から13歳の女子向けに投入するのが「Fairisia」というわけだ。
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子供としても、おもちゃではなく本物として使えるアイテムが欲しい。メガハウスは玩具事業で培ったノウハウを活かし、モバイルサービス事業の第一弾として「Fairisia」を投入。今後は男の子向けアイテムも視野に入れていく |
「Fairisia」の端末詳細や価格、料金形態については既報の通りだが、「Fairisia」はNTTドコモのFOMAネットワーク、「FOMAエリア(2100MHz)」に加え、「FOMAプラスエリア(800MHz)」に対応。月間1GBのデータ通信制限が課されており、1GBを超過してた場合は通信速度が遅くなる。一般的なスマートフォンと同様に、別途追加料金を支払うことで通信速度の制限を解除することも可能だ。音声通話は「050」から番号が始まるIP電話を用いており、「Fairisia」同士の通話は無料となる。
また、子を持つ親にとってありがたいのが、ペアレンタルコントロール機能だ。子供が「Fairisia」を使ってよい時間帯を設定したり、親のスマートフォンからのリモート操作で「Fairisia」のアプリ利用を制限したりできる。また、使える機能を従来の携帯電話(フィーチャーフォン)のように切り替えられる、キッズケータイモードなどもあらかじめ搭載されている。
加えて、オプティムの遠隔ロックソリューション「Optimal Gadget Youth」や、ソースネクストのセキュリティソフトウェア「スマートフォンセキュリティ」「Wi-Fiセキュリティ」といったサービスも利用可能だ。
実際に利用するティーンズ向けには、友だち同士で文字やスタンプはもちろん、手書き文字を織り交ぜたチャットができるオリジナルチャットアプリ「tete(ティティ)」や、撮影した写真をデコレーションしたり落書きして仲間で盛り上がれる「デコカメラ」など、30種類以上のアプリがプリインストールされる。
トレンドにも敏感で多感な年頃のティーンズ女子と、スマートフォンを与えることに何かと心配を抱いてしまう親。玩具メーカーならではの視点で、「親と子の双方が納得できるスマートフォンを提供したい」というメガハウスの考えがどのように受け入れられるのか、今後の動向に注目したい。