バッファローは8日、DSD(Direct Stream Digital)方式のオーディオファイルをDLNA準拠で配信できるNASを、米PacketVideo Corporationと共同で開発したことを発表した。オーディオ機器メーカーにサンプル機を提供するとともに、製品化へ向けた取り組みを開始する。

DSD方式はスーパーオーディオCDで採用されており、CD以上の高音質で記録と再生が可能。スーパーオーディオCDのほか、オトトイが運営する「OTOTOY」、オンキヨーエンタテインメントテクノロジーが運営する「e-onkyo music」などのハイレゾ音源配信サイトで、DSD方式のオーディオデータがダウンロード販売されている。

ただ、DSD方式の音源を再生するには、DSD対応の再生機器が必要であり(PCなら対応ソフトウェアも)、広く普及しているとは言い難い。PC環境では、ラトックシステムなどがDSD対応のヘッドホンアンプをリリースしており、2012年後半からオーディオファンを中心にDSD再生が盛り上がりを見せつつある。

DSD対応NAS(イメージ)

これに対して、ネットワーク経由でメディアファイルをやりとり(再生)する規格として定着したDLNAにおいては、DSD方式のオーディオファイルを配信できるNAS、再生できる機器とも製品化されていない(2013年5月時点)。バッファローはこの点について以前より注目していたという。

今回の取り組みでは、バッファロー製のNAS製品にDSD配信機能を実装し、オーディオ機器メーカーに提供。各社の製品に、DLNA準拠のDSD再生機能が搭載されることを支援する。具体的には、DSD形式として一般的な2.8MHz/5.6MHzのDSF/DFF(DSDIFF)ファイルを配信する試作機を、米PacketVideo Corporationと共同で開発。上記の「OTOTOY」および「e-onkyo music」の協力も受け、両サイトで販売されているDSDファイルを使用する。実際の製品としては、バッファローが2013年に発売するNASの新モデルから順次、DSD配信機能を搭載していくという。

また、2013年5月9日よりドイツのミュンヘンで開催されるオーディオ見本市「HIGH END 2013」に出展するBUFFALO TECHNOLOGYブースにおいて、DSDファイルをDLNA方式でネットワーク再生するデモンストレーション展示を行う。バッファローのNAS「LinkStation」から2.8MHzのDSFファイルをDLNA方式で配信し、パイオニアのAVアンプ「SC-LX86」で再生する。

日本でも、2013年5月11日(土)に東京・スタジアムプレイス青山で開催される「春のヘッドフォン祭」(フジヤエービック主催)でのイベント、「使い方もフレンドリーになった最新のネットワークプレーヤーを聴いてみよう」において、スフォルツァートの新型ネットワーク・オーディオ・プレーヤーによるDSD再生デモンストレーションが行われる予定。