コーレルは、圧縮ユーティリティソフトWinZipシリーズの最新版となるWinZip 16をリリースした。たんにファイルやフォルダを圧縮するだけでなく、ボタン1つで、添付ファイルを作成しメールを送信するなど一歩上の機能が搭載されているのが特徴だ。

今回の新機能でもっとも注目されるのは、ネイティブで64ビットに対応したことであろう。メモリの低価格化などで、PCでも多くのメモリを搭載し、より多くのアプリを動かしたいというニーズは高まる一方である。Windows x64などでは、32ビットのソフトを動作させるためにWOW64というエミュレーションを用意している。これを使えば、32ビットのソフトでも問題なく64ビットOSで動作させることができる。64ビットにネイティブに対応したことは、大きな進歩といえるであろう。

本稿では、基本的な機能や新機能を紹介したい。なお、今回は、多くのユーザーにも試していただけるよう、コーレルから提供される体験版にて行った。機能は正式版と変わらず、45日間の試用が可能となっている。

WinZip 16のインストール

WinZip 16にはStandard版とPro版の2種類があり、その機能の違いはバックアップ機能の有無などである。今回は、Pro版を使用した。コーレルのオンラインストアで、Standard版が3,800円、Pro版が6,400円である(ダウンロード版のみの提供)。対応OSはWindows 2000/XP/Vista/7(いずれも32ビットと64ビットに対応)である。OSが基本動作する環境があれば問題ない。また、製品版のアクティベーションで、インターネットへの接続が必要となる。では、体験版のダウンロードから行おう。

WinZip 16 Pro版の紹介ページから[体験版をダウンロード]をクリックする。

図1 WinZip 16 Pro版の紹介ページ

ダウンロードしたファイルをダブルクリックで実行し、セットアップを起動する(図2)。

図2 WinZip 16のセットアップを起動

次いで、ウィザードが起動する(図3)。

図3 ウィザードの起動

あとは画面の指示に従い進む。特に難しいことはないであろう。基本的にはデフォルトのままで問題はない。インストールが開始される(図4)。

図4 WinZip 16のインストール中

図5で[完了]をクリックすると、Webブラウザでコーレルのページが表示され(正式版購入などの案内がある)。また、シリアル番号の入力のためのダイアログが表示される(図6)。

図5でインストール完了である。

図6 WinZip 16のインストール完了

試用を続けるのであれば、ここで[試用版の使用]をクリックする。このダイアログは、試用中は起動時に必ず表示される。WinZip 16のメイン画面となり、今日のヒントが同時に表示される(図7)。

図7 WinZip 16のメイン画面と今日のヒント

リボン状にメニューが並んでいる。まずはこの状態で、タスクマネージャを起動してみた(図8)。

図8 タスクマネージャを起動

「WINZIP64.EXE」と64ビット版のWinZip 16が起動していることがわかる。では、64ビット版はどれほど高速になったのか。簡易的に試してみた。200MBほどのデータが含まれたフォルダを圧縮してみた。まったく同じ環境で、前バージョンとなるWinZip 15と比較してみた。実際には、圧縮にかかった時間をストップウォッチで測定して比較を行った(キャッシュの影響を受けないよう、再起動後に行った)。筆者の環境では、約20%短時間となった。手動で測定したので、正確なベンチとは言い難いが、64ビットエンジンの効果は期待通りといえるだろう。