米NVIDIAは9日(現地時間)、新たなハイエンドGPU「GeForce GTX 580」を発表した。GeForce GTX 480に変わって同社の最上位GPUを担うことになる。今回、これのリファレンスカードを入手できたので、さっそくベンチマークテストを行ってみたい。
まずは仕様から確認してみたい。コアの製造プロセスルール40nmで、トランジスタ数は30億個、ダイサイズは512平方mm。CUDA Core数(SP数)は512基、Texture Unit数は64基、ROP数は48基、コアクロックは772MHz、シェーダクロックは1544MHz、メモリタイプはGDDR5で動作クロックは1002MHz(データレート4008MHz)、メモリ接続は384bitで容量は1536MBだ。カード単位の消費電力は最大244W/アイドル33Wとされている。
■GTX 580とGTX 480の仕様比較 | ||
GPU | GeForce GTX 580 | GeForce GTX 480 |
---|---|---|
製造プロセス | 40nm | 40nm |
トランジスタ | 30億個 | 30億個 |
CUDA Core(SP) | 512基 | 480基 |
Texture Unit | 64基 | 60基 |
ROP | 48基 | 48基 |
コアクロック | 772MHz | 700MHz |
シェーダクロック | 1544MHz | 1401MHz |
メモリ | GDDR5 1536MB 384bit接続 | GDDR5 1536MB 384bit接続 |
メモリクロック | 1002MHz | 924MHz |
最大消費電力 | 244W | 250W |
GeForce GTX 580のGPUコアは「GF110」と名付けられているので、GTX 480の「GF100」からは変更が加わっているように考えられるのだが、仕様だけ見ると、CUDA Core数がFermiのフルスペックになり、動作クロックもアップしているものの、GF100との違いが良く分からない。以下の画像は左側が「GF110」コアのブロックダイアグラムで、右側が「GF100」のものであるが、内部の構造自体は同一に見える。
GTX 480/470登場時の説明と繰り返しになるが、Fermiコアでは、内部で32基のCUDA CoreをひとまとめとしたStreaming Multiprocessor(SM)と呼ばれるユニットをひとつの単位とし、Fermi本来のフルスペックではこれを16単位で、総CUDA Core数は512基となる。製造歩留まり向上のためか、GTX 480ではSMを1単位分無効にしてCUDA Core 480基、GTX 470では2単位分無効で同448基というものだった。
なので、GF100登場当時は無効だった分のSMを有効(ついでにSMひとつにつきTexture Unitは4基含まれる)にしたのが、単純には今回のGF110と見ることもできる。どちらかと言えば、GF110よりは、"真のGF100"といった印象もあるだろう。ただ、仕様をよく見ると、SMフルスペック化かつクロックアップにもかかわらず、消費電力は下がっている。これはNVIDIA曰く、「トランジスタレベルでの電力効率の改善」や、「40nmプロセスの成熟度の違い」とされている。
さらに、NVIDIAは例えばZ-Cullingユニットには新設計を採用していると説明しており、これによって、特にテッセレーションで作成される事が多い小さなトライアングルの処理での性能向上をうたっている。実性能は本稿のベンチマークテストでお届けするが、こういった再設計等については、実は現時点でどの程度の規模で施されているのか全貌がつかめていない。海外サイトなどでは「GF110はGF100のバグフィックス版」とも伝えられたりしていたが、どちらにせよGF110は、従来のGF100のSMを有効にしただけ、というGPUでは無いようだ。
今回のテスト環境
何はともあれ、肝心なのは性能である。さっそくベンチマークテストに移りたい。今回のテスト環境では、GeForce GTX 580のリファレンスカードのほかに、比較機材として「GeForce GTX 480」と「AMD Radeon HD 6870」を用意した。留意いただきたいのは、Radeon HD 6870のみ明らかに価格レンジが違うことだ。
■比較GPUの製品発表時の参考価格 | |||
GPU | GeForce GTX 580 | GeForce GTX 480 | Radeon HD 6870 |
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参考価格 | 499ドル | 499ドル | ~250ドル以下 |
Radeon HD 6000シリーズだと、HD 6870の上にHD 6900シリーズが控えており、GTX 580の競合はそちらになる見込みだが、まだ未発表ということで、仕方がないものとご理解いただきたい。もちろん、HD 6900シリーズ登場時には、改めてレビューをお届けする予定だ。
ほか、主なテスト環境は以下の表の通り。なおテスト時は、GPUパフォーマンスの結果に影響を与えないよう、CPUの省電力機能やTurbo Boostといった機能はBIOSでオフにしてある。
GPU | GeForce GTX 580 | GeForce GTX 480 | Radeon HD 6870 |
---|---|---|---|
Driver | NVIDIA Graphics Driver v262.99 | Cataryst 10.10 | |
CPU | Intel Core i7-965 Extreme Edition | ||
M/B | GIGABYTE GA-X58-USB3 | ||
Memory | DDR3 1333MHz CL9-9-9-24 2GB×3 | ||
SSD | Intel X25-M 80GB | ||
OS | Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版 |