Windows 7はロケーションAPIを備えているが、位置情報を提供するサービスが統合されていない。位置情報の取得にGPSが必要になるため、WiFiベースの位置情報サービスSkyhook WirelessをサポートするMac OS XやiPhone OSに比べ、Windows 7では位置情報を利用したネイティブ・アプリケーションが少ない。こうした状況の打開を目指したRafael Rivera氏とLong Zheng氏の共同プロジェクトから「Geosense for Windows」が登場した。

Geosense for Windowsは、Windows 7のLocation and SensorsプラットフォームにWiFiベースの位置情報を付与するソフトウエア・センサーだ。GPSを備えていないWindows 7 PCでも、WiFiアダプターのみでロケーション・データを用いたアプリケーションを利用できるようになる。Geosense for Windowsのサイトで32bit版と64bit版が無料配布されている。

v1.0はWiFi(無線LANアクセスポイント)とIPルックアップから位置を割り出すGoogle Location Servicesに対応している。さらに今後、Google Location ServicesのCell ID (携帯電話の基地局)、Skyhook Wireless (WiFi)、Quova (WiFi)、Navizon (WiFi)などのサポートも検討しているという。

MicrosoftがLocation and Sensorsプラットフォームにおいて、位置情報取得の方法を制限している理由の1つにプライバシー問題が挙げられる。Rivera氏とZheng氏はデベロッパの立場から「Windows 7でも、ロケーションベースまたはロケーションで機能強化される素晴らしいアプリケーションが登場する弾みをつけたい。ベンダーがWindows 7 PCにGPSセンサーを搭載しないケースでは、これが適切なソリューションだと考えている」とGeosense提供の理由を説明している。

GeosenseのサイトではRivera氏が開発したWindows 7用のGoogle Mapsクライアントが用意されている。Geosense導入後、同プログラムを使ってGeosenseセンサーの測位精度を確認できる。このほかサイドバーのWeatherガジェット(オプションで"位置を自動取得"に設定)、MahTweetsなどがロケーションに対応している。