韓国Samsung Electronicsは2月14日、プレス向けのイベント「Samsung Mobile Unpacked 2010 - Into the New Wave」を開催し、同社開発の「bada」プラットフォームを採用した「Samsung Wave GT-S8500」を発表した。

イベントが開催された「FIRA GRAN VIA」

badaは韓国語で「海」の意味。イベント会場も海をイメージ

イベントでは、はじめに同社端末部門プレジデントのJ K Shin氏が登壇し、Samsung電子が昨年タッチフォンの台数で世界1になったことを発表。フルタッチUIは今や特定のユーザー向けではなく、コンシューマー層全体が求めるものになったと述べ、携帯電話は音声通話端末から人と人とを結ぶツールを経て、今ではコミュニケーションを行うための「ハブ」に進化したとしている。このような背景から、Samsung電子が全てのコンシューマーのために提供する製品が今回発表する「Samsung WAVE」であるとのことだ。

端末部門プレジデントのJ K Shin氏

Samsung Appsで様々なアプリを配信

「Samsung WAVE」は3.3インチワイドVGA(480×800ピクセル)のSuper AMOLED(有機EL)ディスプレイを搭載。表面はガラス素材で、有機ELディスプレイとの間にタッチセンサーを挟み込んだ3層構造を採用している。

Samsung WAVE

ウィジェットは画面下部に収納

加えて、動作速度1GHzの高速なCPUを搭載しており、快適にフルタッチUIの操作を行うことが可能だ。通信方式はHSDPA 900/2100MHz(下り7.2Mbps/上り5.76Mbps)、GSM 4バンド。DLNA対応の無線LAN、Bluetooth2.1、A-GPSを搭載する。内蔵メモリは2GBと8GBの2モデルが用意される。カメラは5メガピクセルでHD品質の動画録画にも対応する。外部メモリはmicroSDカード(最大32GB対応)。2010年4月から全世界向けに発売される予定である。

メニュー画面

カレンダーはイベントを様々な方法で通知可能

「Samsung WAVE」には、新UI「TouchWiz UI 3.0」を採用。待ち受け画面を最大10画面設定できるほか、画面上にウィジェットやショートカットを配置して自在にカスタマイズできる。なおウィジェットは、従来のTouchWiz UIに見られた画面左側に隠れるサイドバーに収納する方式を廃止。画面左上の「Wiedget」ボタンをタッチすることで画面下にウィジェットを表示し、それをドラッグ&ドロップで画面上に配置できる方法に変更した。

なお、「bada OS」はすでにアプリケーション開発のSDK(開発キット)が提供されており、ディベロッパーや通信事業者が様々なアプリケーションやサービスをアプリ配信プラットフォーム「Samsung Apps」を通じてユーザー向けに提供可能とのことである。Samsung Appsは現在ヨーロッパ数カ国で提供されており、今年中には全世界50カ国以上にサービス対象国を広げるとのことだ。

文字入力はソフトキーボード

マルチタスクにも対応する

また、内蔵アプリはSNSサービスやアプリ間でデータの提携ができる。たとえば通話履歴には音声通話だけではなくメールやインスタントメッセージの着信履歴も同じ時系列として表示される。ほかにもカレンダーでは予定を作成した後、電話帳からその予定を通知・招待したい相手を選び予定を送信可能。予定画面には通知した相手からの参加の可否内容も表示できるとのこと。提携できるサービスはFacebook、Twitter、各種メッセンジャーなど多岐に渡る。このようにSamsung WAVEはフルタッチ対応のハイエンド端末であるだけではなく、コミュニケーションの「ハブ」として活用できる機能を多数搭載しているとのことである。