前編では「ノートン インターネット セキュリティ 2010」を導入するにあたっての簡易さ、自身のPCを堅守する安全性能やそれを実現するシマンテックならではのテクノロジーを紹介してきた。また、実際にPCへインストールして複合的にアプリケーションが起動している状態でのウイルススキャンを行ったところ、決してPCの処理をもたつかせることなく快適さが保たれていたことについても触れてきた。第三者機関PassMark Software(2009年9月)の手によってセキュリティ対策ソフトウェアがもたらすPCのパフォーマンスへの影響調査でも、メモリ使用量の少なさ、スキャンに掛かる時間の短さなどが実証されている。

ユーザーにとって理想的なセキュリティ対策ソフトウェアへと進化してきた「ノートン インターネット セキュリティ 2010」。ノートンシリーズは、間販売本数第1位のベンダーを表彰する「BCN AWARD セキュリティソフト部門 最優秀賞」を2002年から7年連続で受賞、コンシューマ向けセキュリティソフト世界売上金額シェア52.2%をマーク(出典: IDC/2008年9月)するなど、ワールドワイドはもちろん日本国内でも大勢のユーザーから支持されている。

そこで後編となる今回は、「ノートン インターネット セキュリティ 2010」の快適さをより高みへと進化させた「ノートン インサイト」の各機能のレビューと、日頃から慣れ親しんだインターネットを安全且つストレスフリーで利用するノウハウを披露していこうと思う。

・レピュテーション技術だけではない! 有機質な魅力を持つ「ノートン2010」
・サイバー犯罪者に宣戦布告! 全世界3,500万人のユーザーがネット上の不正を追い詰める「ノートン2010」のQuorumレピュテーション
・「ノートン インターネット セキュリティ 2010」を徹底レビューする! 前編

「ノートン インサイト」を積極的に使いこなせば「ノートン インターネット セキュリティ 2010」の真価が判る!

最初にチェックしていくのは、「ノートン インターネット セキュリティ 2010」基本画面の[パフォーマンス]から遷移する[システムインサイト]から。この[システムインサイト]は、時系列で「何時、どんなファイルをダウンロードしたか」、「何時、ウイルススキャンを行ったか」がひと目で確認できるほか、パフォーマンスグラフによってPCの稼働率が把握できるように工夫されている。

[システムインサイト]で是非行ってもらいたいのが、[最適化]だ。この[最適化]は、アプリケーションの実行速度を速くするのに役立つのみならず、システムの起動時間を向上させることができるという優れもの。PCになんらかのソフトウェアをインストールしたあと、パフォーマンスが低下してきた等の諸症状が見受けられたら、この[最適化]ボタンをワンクリックしてみよう。とはいえ、そのワンクリックも面倒……いや、ついうっかり忘れてしまう向きも多いことだろう。

そういった「ついうっかり」を補完するように、[Nortonタスク]でバックグラウンドジョブとして自動でプログラムが走る工夫がなされている。さすがはユーザー目線で作り込まれた「ノートン インターネット セキュリティ 2010」といったところだろうか。

[システムインサイト]では、リアルタイムに自分のPCの稼働状況と「ノートン インターネット セキュリティ 2010」がマシンに与えている負荷を知ることができる。写真を見ていただければ一目瞭然、「ノートン」が与える負荷は殆ど無いことがお判りいただけるはずだ

[最適化]をクリックすると、画面のように右下にダイアログが表示され、[システムインサイト]上のイベント情報を表示する場所に青い印が表示される。インストールされたPCに応じて、自動的に快適な動作環境を構築してくれるのはありがたい機能だ

[Nortonタスク]ではパフォーマンスの確認のほか、バックグラウンドジョブの進捗状況が確認できる。また、サイレントモードの切り替えやアイドルタイムアウトまでの時間を設定することも可能だ

[パフォーマンス]から遷移した[システムインサイト]のなかに[インサイト保護]という項目がある。この「ノートン インサイト ネットワーク」では、世界中の「ノートン」ユーザーから寄せられた"ノートン コミュニティ ウォッチ"の情報を知ることができる。単に情報を掲示しているだけではなく、リアルタイムにレピュテーションの元となるデータベースが作られていくさま、安全なファイル、グレーゾーンなファイル、危険性をはらんだ悪質なファイルの比率がひと目で確認できるのは、ユーザーにとっては大きなプラスの情報となるだろう。

簡単に言ってしまえば「世の中の半数以上のファイルは危険なファイル、もしくは危険性のある信用されていないファイル」ということが判るだけでも、インターネットセキュリティに対するユーザーの意識が高まっていくのではないだろうか。単に安全性を謳うだけではなく、世の中には様々な危険性が潜んでいる。サイバー犯罪者はユーザーの心の隙を突いて悪意あるプログラムを忍ばせてくる。ユーザーがまったくの無防備状態でいるのではなく、「ダウンロードしてきたこのファイルは本当に安全なのだろうか?」と危機管理意識を根付かせるのに役立つ情報といえる。こういったインターネットセキュリティへの啓蒙活動に繋がる試みには、素直に賞賛を贈りたい。

一見地味に見えるかもしれないが、確実に不正なファイルや悪意のあるプログラムが存在していることを意識付けてくれるこういった情報は貴重だ

自分のPCに入っているファイルたちは本当に安全なのか。こういった疑問は、時間が経つにつれて薄れていってしまうのが人間の常というもの。新しいパソコンを購入し、極力リスクのあるファイルはインストールしないぞ! と心に誓っていても「このフリーソフト便利だよ」「ブラウザにこのプラグインを導入すると効率がアップするよ」と口伝えで情報を聞き、実際に導入してしまう。

かく言う筆者もパソコン購入直後は繊細の注意を払っていたが、次第になし崩しになってしまったPCに優しくない利用者のひとりだ。そこで頼りになるのが[Nortonインサイト]内にある[アプリケーション評価]だ。この[アプリケーション評価]では、実行ファイル".exe"やダイナミックリンクライブラリファイル".dll"などが「本当に信用たり得るか?」を分析してくれている。

またリスト化されたファイルをクリックすることによって[ファイルインサイト]が起動し、自身が自らインストールしたファイルやソフトウェアを「ノートン」、「世界中のノートンユーザー」、「ファイルの作成日」といった第三者の視点で分析してくれているので、[アプリケーション評価]で表示されている情報には信憑性と説得力がある。悪意のあるファイルやプログラムを水際で防ぎきれなかったという最悪なケースであっても、この[アプリケーション評価]や[ファイルインサイト]によってPCに悪影響を与える可能性のあるファイルを特定することもできるので、役立てて欲しい機能のひとつだ。

[Nortonインサイト]でスキャンする必要のない"ホワイトリスト"を管理しているのが[アプリケーション評価]。[スキャンパフォーマンスプロファイル]によってスキャンする対象範囲を狭めたり拡げたりすることが可能

[アプリケーション評価]で表示されているファイル名をクリックすることで[ファイルインサイト]へ遷移する。[ファイルインサイト]で表示される情報は信頼レベル、利用しているユーザー数、リソースの使用率、評価された日付が確認できるほか、そのファイルの活動状況もチェックできる