日本語ロケールも用意されている

Google Androidは、スマートフォンなどをはじめとするモバイルデバイス向けのOS。GUIやAPIを含むソフトウェアプラットフォームであり、当初は米Androidが開発を進めていた製品だが、2005年の買収以降はGoogleが開発を進めている。

今回試したLive Androidは、バージョン2.6.27のLinuxカーネルを採用するLinux OSの一種だが、いわゆる"Linuxディストリビューション"とは実装が大幅に異なる。カーネルが提供する機能の多くは共通しているものの、メモリ管理や電源管理には独自の拡張が施されているほか、プロセス間通信(IPC)ドライバ「Binder」が加えられている。

Live Androidで端末情報を表示したところ

ライブラリも同様で、libcも独自に拡張した「Bionic」を備えるなど、高速化/コンパクト化を目的に手が入れられている。SQLiteやFreeTypeといった、Linuxディストリビューションでおなじみの(オープンソースの)ライブラリも多数収録されているが、パフォーマンスへの影響が大きい汎用的な機能については徹底的な見直しが行われている。

Android最大の特徴は、仮想マシン「Dalvik」だろう。Javaベースではあるが、専用の中間言語形式「Dalvikバイトコード」を実行、一般的なJavaバイトコードは利用されない。SunのJava VMはスタック型(命令を処理するときに使用するレジスタがスタック状)だが、Dalvik-VMはレジスタ型(演算時に任意のレジスタを選択可能)を採用、プログラム容量はJavaバイトコードより少ないとされる。メモリアクセスを節約できるため、処理速度が向上するだけでなく、消費電力の面からも有利だ。Java/Java MEとの互換性は保証されないものの、Javaのノウハウをアプリ開発に生かせるという点は、Androidが支持を集める理由の1つと考えられる。