仏Alcatel-Lucentは7月7日(米国時間)、米連邦巡回控訴裁判所(U.S. Court of Appeals for the Federal Circuit)において、自らが保持するMP3関連特許の正当性と、それを米MicrosoftがWindows Media Playerで侵害していることをアピールした。2007年2月にMicrosoftに対して15億3000万ドルの損害賠償請求権を勝ち取ったAlcatel-Lucentだが、2007年8月に連邦地裁が下した判断で、同社が主張した2件の特許のうちの1つは無効、もう一方の特許はMicrosoftがすでに正統な権利者に対してライセンス料を支払っていることを理由に請求権が取り消された。Alcatel-Lucentはこれを不服とし、今回の巡回控訴裁判所への上訴となった。
Alcatel-Lucentの訴訟は、1996年に米AT&Tから分離した米Lucent Technologiesを2003年に仏Alcatelが買収したことに起因する。当時のLucentはAT&Tの旧Bell Labsが保有していた膨大な特許資産を抱えており、これをAlcatelが買収で吸収したことで権利が移行した。だがMicrosoftは昨年2月に判決となった裁判で「AT&Tとの共同特許出願者である独Fraunhofer Instituteからライセンスを受けている」と主張し、後にこれが認められた。最も汎用的な音楽フォーマットとして使用されているMP3だけに他社への波及が懸念されていた裁判は、Alcatel-Lucentの上訴によって再び振り出しに戻った形となった。