米AMDは8日(現地時間)、GPUの演算能力を活用したアクセラレータカード「FireStream 9170」を発表した。HPC分野向けに提供されるPCI Expressインタフェースの拡張カードで、演算性能は最大500GFLOPS(単精度)を実現。2008年第1四半期の発売を予定しており、価格は1,999ドル。

「FireStream 9170」は、本来はグラフィック処理に利用されるGPUの演算能力を、大規模な並列計算に適用したものだ。同社は今年2月に、R600ストリームプロセッサを2基使用した「Accelerated Computing」プラットフォームを発表していた。

FireStream 9170に搭載されるGPUは不明だが、仕様には「次世代のATI GPU」とあり、55nmプロセスの製品となるようだ(HD 2900は80nm、HD 2600/2400は65nm)。微細化の効果か、消費電力は150W以下に抑えられており(電源は500W以上を推奨)、シングルカードの製品となっている。インタフェースはPCI Express(2.0) x16。

そのほか、倍精度浮動小数点の実装、非同期DMAの採用、320基のストリームプロセッサ、2GBのGDDR3メモリなどの仕様も明らかになっている。対応OSは、32ビットおよび64ビットのWindows XPとLinux。同時にソフトウェア開発キット(SDK)も提供され、ユーザーは自由にアプリケーションを開発することが可能だ。