Microsoft Mediaroomのロゴ |
米Microsoftは6月18日(現地時間)、同社のIPTVプラットフォーム「Microsoft Mediaroom」の提供開始を発表した。MediaroomはIPベースでの動画コンテンツ配信や、そのインフラを活用した各種のデータ通信サービスを提供するソフトウェアプラットフォームの総称。従来まで「Microsoft IPTV」で提供されていたサービスをアップデートし、Mediaroomへと名称を変更した。通信キャリアはMediaroomを導入することで、契約ユーザー向けに映像コンテンツの配信や、それに付随したサービスの提供で付加価値を付けることが可能になる。
今回発表されたMediaroomは既存のMicrosoft IPTVの拡張版にあたり、デジタルビデオレコーダ、ビデオ・オン・デマンド(VoD)、簡易チャンネルザッピング(複数チャンネル同時視聴)などの従来の機能はそのままに、下記のようないくつかの新機能が追加されている。
- メディアファイル共有: PC上に保存された音楽ファイルや写真などを、家庭内にある好きなTVから視聴・閲覧することが可能
- マルチビュー機能: 複数チャンネルを同時に視聴できるだけでなく、同じ番組でも異なるアングルの映像を「Picture-in-Picture」の状態で埋め込んで閲覧可能
- マルチメディア・アプリケーション環境: Webサービスやアプリケーション機能をサポートし、サービスプロバイダがダイナミックなVoDポータルを構築したり、カジュアルゲームや双方向TVプログラムを用意したりと、より付加価値の高いサービス環境を享受できる
- デジタル地域TV(DTT): Mediaroomで初となるDTTをサポートし、地域ごとの地上波デジタル放送のIPTVでの視聴が可能
また上記新機能群に加え、Microsoft Mediaroom Application Development Toolkitの提供による、サービスプロバイダや開発者向けのサービス/アプリケーション開発支援も行う。Microsoftによれば、世界の18の事業者がMediaroomによるIPTVサービスの提供を計画しており、すでに10の事業者が同技術による商用サービスを開始しているという。
今回の発表は、現在米イリノイ州シカゴで開催されている通信事業者向け展示会「NXTcomm 2007」にあわせて行われたもの。NXTcommは以前まで「SUPERCOMM」の名称で呼ばれていたイベントで、IPによる音声/ビデオ/データの複合通信サービスが主流になりつつあることを受け、2007年より名称が変更された。