9月のIFAで独自のAI戦略を発表か

ファーウェイのコンシューマー事業における次の一手としては、人工知能(AI)への注力を挙げた。

これまで同社はCESの基調講演などで、「AIを搭載することで、人間のように振る舞うインテリジェントフォンの時代が到来する」との予言を繰り返してきた。それがいよいよ現実のものになろうとしている、というわけだ。

ファーウェイ独自の「AIプロセッサー」で描く世界観

とはいえ、いまやスマホには「AI」をうたう機能がいくつも搭載されつつある。ファーウェイの「Mate 9」は米国で音声アシスタントの「Amazon Alexa」に対応しており、グーグルも最新のAndroid端末全般に「Googleアシスタント」を提供する。

これに対してファーウェイ独自の強みは、プロセッサーにあるようだ。アップルやサムスンと同じく、ファーウェイは自社開発のプロセッサー「Kirin」シリーズがある。これをAIに対応させ、スマホを始めとするデバイス群に搭載するというのがファーウェイの構想だ。

注目は、スマホ単体でどういった機能を実現できるのか、という点だ。画像認識や音声認識は大きな計算能力を必要とするため、これまではクラウド側で処理してきた。だが「AIプロセッサー」が実現すればスマホ端末上で完結し、反応が高速になるなど、使い勝手は高まるはずだ。

9月にベルリンで開催される「IFA 2017」では、ユー氏自身が基調講演に登壇する。ここで同社のAI戦略について、大きな発表があることは間違いないだろう。

世界のスマホ市場で2強のサムスン、アップルに続くファーウェイは、数年以内に2位に上がることを目指している。独自のAI戦略により、スマホシェアだけでなくテクノロジーブランドとしても、トップクラスの仲間入りをするというのがファーウェイの目論見だ。

世界における象徴的なテクノロジーブランドを目指すとのビジョンを打ち出した