そして、これはある飲食店のオーナーの話。「仮に午後3時にみなさんのお仕事が終わっても、弊店ではその時間から営業するリソースがありません」とのことだ。たとえば“仕込み”。ここはランチタイムが終わったあと、夕方からの営業のため仕込みを開始する。とてもではないが、午後3時に店を開ける余裕がないそうだ。その時間から働けるホールスタッフを確保することもほぼ不可能だという。

さらに、午後3時で終業したビジネスパーソンが、すぐに帰宅してしまうのではないかという声もある。経済にどれほどの効果があるのか……、このように疑う声は各所から聞こえてくる。

イベントに参加した小池百合子都知事

とはいえ、まったく効果がないわけではないだろう。事実、プレミアムフライデーに関連したイベントに参加した小池百合子都知事は、「働くことの意識改革のきっかけになれば」と語った。プレミアムフライデーをすぐさま実践できるビジネスパーソンは少ないかもしれない。だが、これをきっかけに徐々に意識改革につながっていけば、それはそれでよいかもしれない。

さて、東京駅周辺で行われたプレミアムフライデーのイベントだが、強力なものだったといえよう。それは、前述したとおりJR東日本、三井不動産、三菱地所の3社が旗振り役になったからだ。どの企業も存在感の強いデベロッパーだ。これらの企業が管理するビル棟には、数多くの有名企業が入居する。これら3社が入居企業に対し、プレミアムフライデーの有り様を示せれば、ひょっとしたら意外と早く定着するかもしれない。