シャープが発表した2016年度第3四半期決算は、シャープの回復が着実に進展していることを示すものになった。

第3四半期(2016年10~12月)の業績は、売上高が前年同期比13.8%減の5715億円、営業損益は前年同期の38億円の赤字から188億円の黒字に転換。経常損益は前年同期の141億円の赤字から167億円の黒字、当期純損益は前年同期の247億円の赤字から42億円の黒字となった。

再建中のシャープ。回復の進展を早める段階へ

シャープは、2015年度連結業績において、1619億円という大幅な赤字を計上。自主再建を諦め、2016年8月からは、鴻海傘下での再建をスタートしているのは周知の通りだ。

シャープの野村勝明副社長兼管理統轄本部長。前回の決算とはかわって、落ち着いた雰囲気の会見となった

今回の第3四半期決算会見では、シャープ 代表取締役副社長兼管理統轄本部長の野村勝明氏が、鴻海傘下における半年間の再建の道のりを辿るように、「2016年度第2四半期(7~10月)では、営業黒字を達成したの続き、今回発表した第3四半期では、最終黒字化を達成。ソーラー事業を除いたすべてが黒字化している」とコメント。「構造改革のフェーズから事業拡大フェーズへと移行することになる」と宣言した。さらに、「第4四半期は売上げ成長も対前年比を超えていくことになる。第4四半期の黒字化も達成できるだろう。今後は、事業拡大に軸足を移し、成長軌道へと転換していく」と述べた。

2016年8月12日に、鴻海による出資が完了し、8月13日には、鴻海科技集団の戴正呉副総裁が、シャープの社長に就任。戴社長は、「2016年度下期黒字化」を公言し、それを自らの最初の「通信簿」に掲げた。