ゴミがきちんと取れていることを実感するために、ダストケースはゴミが見えやすい透明のケースを採用。充電時、自動的にダストケース内でゴミを圧縮する機能も搭載。約2週間分のゴミをためることができ、圧縮している分、ゴミがまとまっていて捨てやすいというメリットにもなっている。

ゴミが見えやすくて、圧縮しているから捨てやすい

ロボット掃除機に対する期待としては、「外出中に掃除が終わっていれば便利なので」、「掃除機をかける時間が少ない」、「体力的に掃除をすることがおっくうになってきた」など、掃除にかける手間を減らすことだ。ところが実際にロボット掃除機を導入した人は、「床に置いてあるものを片付ける」、「イスをテーブルの上にあげておく」など、ロボット掃除機を使うための準備をしているとアンケートで回答している。

minimaruが小さいきょう体で、掃除能力にこだわった開発を行ったのは、この「ロボット掃除機を使うための準備をしないでも使える」を狙ったものとなる。

ロボット掃除機市場は形成段階

果たしてこうした狙い、そして部品から新たに開発して作った掃除機としての機能がどれだけ伝わるのかがminimaruが成功するか、否かの鍵となる。イスや家具の下にも入っていって掃除することができることを狙ったきょう体の小ささは、見た目だけで伝わるが、掃除機としての強力さについては見ただけでは伝わらない。日立アプライアンスでは、「CMと店頭でのアピールを大々的に行っていくことで、機能の特性を知って貰う予定」と話している。

「ロボット掃除機の市場規模は5年前に比べれば2.3倍に拡大している。今後もこの市場規模は伸びていくだろう」(日立アプライアンス 取締役 家電・環境機器事業部長 松田美智也氏)。日立アプライアンスの調べでは2015年度の市場規模は20万4000台。掃除機全体の中でロボット掃除機が占める割合は4%とまだ小さいものの、次回購入したい掃除機のタイプとしてはサイクロンタイプ、スティックタイプに次ぐ3位となっている。

こうした市場調査の声を見ると、ロボット掃除機は、買ってみたいと考える人が増えている段階で、買ってみたいと考える人の懸念、買ったものの不満に感じている機能的懸念をどれだけ解消することができるのかによって、ロボット掃除機の市場規模拡大がかかっているといえるのではないか。

ロボット掃除機市場は現段階では市場形成段階であるという実情を考えると、日立アプライアンスは競合企業からシェアを奪うことよりも、これまで機能面を検討した結果ロボット掃除機購入を思いとどまっていた人、以前、購入したことがあるが機能に満足しなかった人をどれだけ獲得できるのかがポイントとなってくる。

同社では月産5000台、市場でのシェア10%を目標として掲げている。これを実現するか否かは、機能面の特性をどれだけ多くの人に伝えていけるかにかかっているのではないだろうか。さらに、実際に利用した人が、「ロボット掃除機に感じていた不安、不満が解消できた」と納得できる製品に仕上がっているのか、まさに機能が評価されるかの勝負である。