NTTレゾナントが運営する検索/ポータルサイト「goo」の人気Q&Aコンテンツ「教えて! goo」において、AI「オシエル」を使った恋愛相談サービスを開始した。恋愛相談という、ともすれば重いテーマのサービスにおいて、AIはどのような役割を果たせるのだろうか。また、gooはどのような展開を今後考えているのだろうか。

gooがAI「オシエル」を使った恋愛相談サービスを開始

3000万件以上のデータから最適解を学習

「教えて! goo」の「オシエル」は、ユーザーが投稿した質問に対し、自然な文章で返答してくれる恋愛相談用AIだ。実際に恋愛相談に対する実例を見てみよう。

質問は人間の回答者たちも見るので、一般的な言葉遣いで入力して構わない

AIからの回答はユーザー名が「オシエル」になっていてすぐにわかる。混雑にもよるが3~5分程度でレスポンスが得られるという。名言の引用が最後に付くのも面白い

好きな人に振り向いて欲しいという趣旨の質問に対して、AIは「大丈夫です。脈はあると思いますよ。これからもっと丁寧にお互いを……」などと、投稿者に対して、自然で丁寧な言葉で返事をしているのがわかる。AIが書いたとは思えないほど自然な文章だ。

「オシエル」はNTTグループのAI「corevo」を活用して開発されたもので、「教えて! goo」に投稿された3000万件以上のQ&Aデータから「使われている単語の意味」「質問(Q)と回答(A)の対応関係」「質問内の文の組み合わせ」をディープラーニングで学習し、モデル(型)を生成。投稿された質問に対して、生成したモデルを用いて質問にマッチする「共感」、「結論」、「理由」を含む文を回答集合から抽出し、抽出した文を組み合わせて新たな回答を生成する。文章のスタイル(文末が「だ・である」か「です・ます」か、など)はNTTドコモの自然対話プラットフォームを利用して修正しているという。

最適な回答を抜きだしてテンプレートに合わせるといった形に近い。AIの回答に対する評価も学習し、次の回答に応用していくという

恋愛相談とAIの組み合わせという点では、Yahoo! JapanでもQ&Aコーナーの「Yahoo!知恵袋」で、バックボーンにWatsonを使った「これって付き合える? 脈ありチェッカーβ」をAndroid用アプリとして提供している。ただし、こちらは脈の有無を%表示するだけで、質問に応えてくれるわけではない。NTTレゾナントによれば、恋愛相談や人生相談など、答えが決まっていない質問に対し、ディープラーニングを使って複数の文を組み合わせ、自然な回答を生成する技術としては「オシエル」が世界初となるという。