ルネサス エレクトロニクスは3月19日、ジェイデバイスに子会社の後工程生産拠点などを譲渡することについて最終契約を締結したと発表した。

今回の最終契約は、ルネサスの100%子会社ルネサス北日本セミコンダクタ(北セミ)、ルネサス関西セミコンダクタ(SKS)、ルネサス九州セミコンダクタ(九セミ)および北セミの100%子会社である北海電子を吸収分割会社とし、会社分割により吸収分割会社の後工程製造事業の一部(北セミ:函館工場、SKS:福井工場において営んでいる後工程製造事業、九セミ:熊本工場において営んでいる後工程製造事業および受託製造事業、ならびに北海電子において営んでいる製造支援事業)に係る資産・負債その他の権利義務などを、ルネサスが新設する100%子会社「ルネサス ジェイ セミコンダクタ」に承継させた後、ルネサスが、当該100%子会社の発行株式のすべてをジェイデバイスに譲渡するというもの。ルネサスとジェイデバイスが半導体製造事業における戦略的パートナーとして長期的な互恵関係を構築することを目的としており、今回の合意に基づき、両社は2013年6月1日をめどに譲渡を完了させる予定。

なおルネサスでは、収益基盤の強化に向け、グループの国内にある生産拠点の再編を進めており、国内後工程生産拠点については、高付加価値製品対応を中心とし、北セミの米沢工場およびルネサスセミコンダクタ九州・山口の大分工場の維持・強化を進めており、それ以外の後工程事業について、選択と集中として譲渡検討事業と位置づけ、長期的なパートナーシップの構築が期待できる譲渡先を検討してきた。一方、ジェイデバイスでは、半導体後工程受託会社としてさらなる事業成長を目指していく上で必要不可欠なコスト競争力を達成するには、事業規模の拡大が最も重要であると考えており、両社の思惑が一致した結果、今回の事業譲渡に至ったと説明している。