第3章 Windows 8のUI/UX - Windows 8のShellスキーム

Windows 8を使いこなす上でもう一つのアプローチが、Shellスキームである。Windows 7以前でも用意されていた機能だが、深い階層にあるフォルダーを呼び出す際に便利な機能だ。

例えばスタートアップフォルダーは、スタートメニューがMetroデスクトップに変更されたことで、参照しにくくなっている。だが、その存在が消えたわけではない。Windows 7と同じく「%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup」フォルダーは残されているが、この長いパスを入力するのは一苦労。そこでShellスキームの出番となるのだ。

例えば前述のスタートアップフォルダーの場合、「shell:Startup」を「ファイル名を指定して実行」などから実行すれば、簡単にフォルダーを開くことができる。後はWindows 7と同じように自動起動する実行ファイルのショートカットファイルを作成し、同フォルダーに格納すればよい。なお、全体のスタートアップフォルダーを開く場合は「shell:Common Startup」と実行する(図160~161)。

図160 [Win]+[R]キーを押して「ファイル名を指定して実行」を起動し、テキストボックスに「shell:Startup」と入力して<OK>ボタンをクリックする

図161 すると個人用のスタートアップフォルダーが開く。後は同フォルダーに自動起動するショートカットファイルを入れればよい

この他にも、エクスプローラーの<送る>フォルダーを開く場合は「shell:SendTo」、ごみ箱フォルダーを呼び出すには「shell:RecycleBinFolder」と実行すればよい。このようにShellスキームは複雑化したWindows 8フォルダーを参照する強い味方となるだろう(図162)。

図162 Windows 8で使用できる主なShellスキーム