寝台特急「あけぼの」(上野 - 青森)

寝台特急あけぼの(写真提供: JR東日本)

上野 - 札幌間の「カシオペア」「北斗星」は青森を深夜に通過してしまう。そこで関東と北東北の秋田、青森を結ぶ列車として「あけぼの」がある。下り上野発は21:15、秋田着は6:45、青森着は9:56。上りは青森発18:08、秋田発21:06、上野着6:58。青森駅付近や秋田駅付近を利用するには実用的な列車だと言える。早朝深夜の発着になるが、新潟県北部、山形県の日本海側からの利用も可能。

寝台車のみで食堂車、ロビーなどはない。車内販売もないので飲食物は乗車前に用意する必要がある。素泊まり感覚の列車という印象だ。B寝台2段式が中心で、A寝台1人用個室とB寝台1人用個室もある。ユニークなシステムは「ゴロンとシート」。B寝台2段式を寝台料金不要で特急指定席として利用できる制度で、B寝台に付属する浴衣、枕、掛け布団、シーツはない。厚着をしたり、タオルケットなどを持参すればB寝台同様に寝て過ごせるため人気がある。この「ゴロンとシート」は、女性用車両も用意されている。

「あけぼの」列車データ
運行区間 下りは上野(21:15発) -青森(9:56着)、上りは青森(18:08発) - 上野(6:58着)。毎日運行
設備 A寝台1人用個室「シングルデラックス」、B寝台個室「ソロ」、B寝台二段式
運賃+料金(例) 上野 - 青森間 27,000円(シングルデラックス 1人分)、19,950円(B寝台個室「ソロ」およびB寝台二段式 1人分)

寝台特急「日本海」(大阪 - 青森)

寝台特急日本海(写真提供: JR西日本)

大阪・北陸地域と東北地方の日本海側を結ぶ列車。金沢・福井 - 秋田間などの区間利用者も多い。個室はなく、B寝台は開放型2段式。A寝台も開放型2段式。両者の違いはベッドの幅だけで、B寝台は幅70cm、A寝台は下段が93cm、上段が88cmとなっている。食堂車はなく、シャワールームもなし。A寝台車にミニロビーがあり、喫煙所としても利用されている。ただし4席しかないので、長時間利用する場所ではないだろう。

個室のある列車と比較すると、やや古いサービスメニューである。しかし、裏を返せば個室よりも手軽な料金で利用できるとも言える。青森駅を介して北海道方面の特急「白鳥」と連絡する。本州の特急と北海道の特急を乗り継ぐ場合は、北海道側の特急列車の料金が半額になる制度もある。そのため、大阪 - 札幌間の利用者も多く、豪華版の「トライライトエクスプレス」に対して、庶民派の「日本海」として人気がある。

「日本海」列車データ
運行区間 下りは大阪(17:47発) -青森(8:34着)、上りは青森(19:33発) - 大阪(10:27着)。毎日運行
設備 A寝台二段式、B寝台二段式
運賃+料金(例) 大阪 - 青森間 25,940円(A寝台二段式下段 1人分)、21,740円(B寝台二段式 1人分)

寝台特急「北陸」(上野 - 金沢)

寝台特急北陸(筆者撮影)

関東と北陸を結ぶ列車。発車時間が遅く、到着時間が早いため、夜間に効率よく移動したい人に人気がある。この区間は夜行の需要があるようで、「北陸」とほぼ同じ時間帯に座席のみの電車急行「能登」も走っている。手軽な料金で行きたいなら「急行能登」、眠ってラクチンに移動したいなら「特急北陸」という棲み分けができている。

「北陸」の人気の理由はもう1つ。個室の比率が高いことだ。特にB寝台1人用の個室「ソロ」は開放型2段式と同じ料金。つまり、すべての寝台のなかでもっとも低料金である。A寝台個室は「シングルデラックス」で、こちらもA寝台個室としては1番低料金。寝台幅は80cmで、トイレは別ながら専用の洗面台が付いている。休日モードのビジネスマンが、身だしなみを整えてスーツ姿になるには十分な空間だ。食堂車はないが、夜に出発して早朝着のため不便はない。2号車にシャワールームがある。

シャワールームは310円。6分間お湯が出る(筆者撮影)

「北陸」列車データ
運行区間 下りは上野(23:03発) -金沢(6:26着)、上りは金沢(22:18発) - 上野(6:19着)。毎日運行
設備 A寝台1人用個室「シングルデラックス」、B寝台1人用個室「ソロ」、B寝台二段式
運賃+料金(例) 上野 - 金沢間 24,160円(A寝台1人用個室 1人分)、17,110円(B寝台二段式 1人分)