日本生れ、日本育ちのカップラーメン

日本で生まれ、いまや世界中で愛されているカップラーメン。日清食品から、初のカップラーメン「カップヌードル」が発売されたのが1971年のこと。それから40年弱の間に、カップラーメンはバラエティ豊かに、専門的に進化を遂げた。ここでは、人気ラーメン店「せたが屋」店主前島司さんに25種類のカップラーメンを試食してもらい、味の特徴やおいしさの違いを語ってもらう。

ひたすら試食を続けるせたが屋の前島司さん。本当にありがとうございました

今回集めたカップラーメンは、醤油味や塩味、味噌味、カレー、キムチ味とタイプは様々。澄んださっぱりしたスープもあれば、濃くて白濁タイプもある。麺も極細から極太まで幅広く、食感の違いも大きい。"これとこれを同じカップラーメンといっていいのだろうか"と思うほどの幅広さだが、それだけ消費者のニーズが多彩であるということなのだろう。また、ご当地ラーメンを商品化したものも最近では多く、その充実のラインナップには驚かされる。

そして「せたが屋」のラーメンも、これまでに何度か食品会社からカップラーメンとして発売されたことがある。前島さんももちろん開発に参加し、さらには日本全国各地のラーメンも食べ歩いているとのことで、今回の食べ比べ企画をお願いしたわけだ。「カップラーメンは昔からよく食べていましたよ」と快諾した前島さんから、どんなコメントが飛び出すかじっくり読み進めていってもらいたい。

試食する料理人

せたが屋 代表取締役社長・前島司さん

前島司さん。地方に年2、3回出かけ、インターネットなどの情報をもとに1日に5軒ほど食べ歩くという。ご自身は基本喜多方系が好きとのことだが、最近注目はレベルが上がってきている大阪だとか。写真右は東京・駒沢大学にある「ひるがお せたが屋 本店」

ラーメン激戦区の東京・環七沿いに2000年、醤油ラーメンの「ラーメンせたが屋」(現「ひるがお せたが屋 本店」)を出店。2001年には昼の時間帯のみ同店の屋号を「ひるがお」に変え、まったくタイプの違う塩ラーメンの提供を始める。その後も店舗展開を進めつつ、豚骨や味噌など新たな味の開発を行ない、2008年には調味料を使わないラーメンを売り物にした「ラーメンゼロ」を出店した。同じく2008年にはニューヨーク出店も果たす。