Far Cry v1.4

さて、ETQWより更に軽いにも関わらず、異なった傾向が出たのがFar Cry。

まずRegulator(グラフ55~57)だが、絶対的なフレームレートはグンと上がっているが、Hyper-Threadingはあっても無くても変わらないという程度でしかない(グラフ55)。SSDを使うとフレームレートが落ちる(グラフ56)事は変わらないし、メモリ構成による差(グラフ57)も大きいものとは言いにくい。

Research(グラフ58~60)についても同じである。低解像度ではやや値がバラける傾向があるが、Hyper-Threadingに関してはほぼ効果はなし(グラフ58)、SSDでは性能低下が見られ(グラフ59)、メモリ構成の差は殆ど見られない(グラフ60)。

Training(グラフ61~63)では激しく値がブレまくるのが特徴であるが(これはHalf-Life 2などでもみられる)、まずHyper-Threadingの有無に関して(グラフ61)は単にブレているという感じで、特にHyper-Threadingの有無が影響している風ではない。SSDに関して(グラフ62)は、フレームレートが上がっているケースと下がっているケースがあるが、グラフ61と重ねてみるとブレの範囲内といった風情で、ことさらにSSDがどうこうとは言いにくい。実際は他生の影響があるのかもしれないが、それよりもベンチマーク結果の変動の方が大きすぎるといった感じだ。これはメモリ構成(グラフ63)についても同じ事で、少なくともTrainingの結果から何かを読み取るのは大変に困難だ。

これに比べると比較的穏やかなのがVolcano(グラフ64~66)。面白いのは、Volcanoに関しては、それでもHyper-Threadingを無効にすると性能アップが認められる(グラフ64)ということ。最も解像度は1024×768ピクセル以下の話であるが。SSDに関して(グラフ65)は、大きな違いは認められない。これはメモリ構成(グラフ66)に関しても同様である。

GPU負荷の軽いゲームでもHyper-Threadingが効果的とは言えない、というのがETQWでの暫定的な結論だが、やはりゲームの側も多数のスレッドに対応した構成になっていないとHyper-Threadingには意味が無いだろう。Far Cryはこの見方を補強する結果となった。Hyper-Threadingが影響を及ぼしたのはごくわずかなシーンでしかなかった。

またSSDは、すくなくともそれによって高速になるケースは全く無いといってよいと思うし、メモリに関しても有意な差は見られないとしてよいだろう。