働く母ならではの"モヤモヤ"

時間に追われて働く中で単純なミスをしてしまい、それを引きずってさらに実力を発揮できずにへこみ、そんな時に限って保育園からは呼び出しの連絡が。こういう話、働く母たちなら枚挙に暇がない。そんな時、彼女たちはどうして揺らぎ、モヤモヤしてしまうのか。その構造を分解してみると……。

何か行動を起こすとき、今がどんな状況か(As Is)と、どうあるべきか(To Be)が分かっていれば、その間を埋めるために何をすれば良いかという対処方法を打ち出すことができます。しかし、この「どうあるべきか」部分がはっきりしていなければ、策を打ち出すことができません。女性の場合、出産というライフイベントによって価値観がガラリと変わることも珍しくないため、働く母たちはより一層「どうあるべきか」を見失いやすい環境にあるようです。

そんな状況にもかかわらず、現実は常に目の前にいて、コロコロと形を変えていきます。そこで、働く母として「こんなはずじゃなかった! 」と悩まないためには、行動の理由や判断の素となる「どうあるべきか」をしっかり持たなければいけません。

「どうあるべきか」と言われてもざっくりしているので、働く母親の皆さんには、何のために働くのかを自分自身に問うていく「じぶん対話」でそれを見定めていくことを提案します。働く理由や目的をひたすら考え続けるのも良いかも知れませんが、それだと悶々として行き詰ってしまう可能性もあるので、次のような方法がオススメです。

新入社員時代から今までを遡ってみる

就職したとき、どんな風に考えて今の会社を選んだか。新人として入社して、途中で異動や転職をして、どんな意気込みで今の仕事に就いたか。産休前はどんな風に復帰したいと思っていたか等を思い出してみましょう。

今あるものに着目してみる

今の仕事で得ているものを洗い出し、それらがどのくらい今の自分に必要なものか確認しましょう。例えば、お給料以外にも、社会の中での居場所であったり、業務を通して得られる知識やスキル、仕事をしていなければ繋がれない人脈など様々な得るものがあるはずです。今あるものが見えれば、それ以外に欲しいものも自然と見えてくるはずです。

とにかく人と話す

人と話すことで考えが整理されて自分のことが見えてくる経験は、誰しもあるのではないでしょうか。相手の人には事前にお願いして聞き手に回ってもらい、敢えて「なんで? 」「どうして? 」というツッコミをたくさん入れてもらうようにしましょう。そうすることで、自分では当たり前だと思って問うてこなかった価値観に気づかされることがあります。

自分と対話するスキルを身に着けて、あなたが何のために働くのかが掴めれば、それが何か行動を起こす際の軸となり、クヨクヨしたりモヤモヤすることが減ってくると思います。

※画像は本文と関係ありません。

著者プロフィール

株式会社ここるく 代表取締役 山下真実
「わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にできる子育てスタイル」を提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を運営するママ起業家。
投資銀行や金融系コンサルなど金融業界でキャリアを積みつつ、2011年に第一子を出産。初めての子育て中に「今まで気にもとめていなかった当たり前の事が、産後は一 気にできなくなるんだ! 」と感じたことがきっかけとなり、現代に合った子育て支援を実現するため2013年に株式会社ここるくを設立。同サービス運営を通じて得られる働くママ達のリアルな視点とコンサル経験を活かして、企業に対する女性活躍推進コンサルティングを行う。
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