2015年の鉄道重大ニュースを挙げるとするなら、北陸新幹線が上位にランクインするはず。その北陸新幹線に上越妙高駅がある。これには違和感を持つ人がいるかもしれない。上越新幹線に「上越」が付いた駅がないのに、北陸新幹線に上越妙高駅がある。しかもこの駅は、旧信越本線の脇野田駅に建設され、新幹線開業に合わせてわざわざ「上越妙高」という駅名にした。ややこしい。どうしてこうなった?

上越妙高駅は北陸新幹線の駅

上越妙高駅は北陸新幹線の飯山駅と糸魚川駅の間にある。所在地は新潟県上越市で、北陸新幹線の計画時は「上越駅」という仮称だった。しかし、北陸新幹線の線路は妙高市も通る。地図を見ると、妙高市は上越市に囲まれている。駅は両市の市役所からほぼ同じ距離にある。だから駅名の正式決定では議論が起こったという。駅名の由来は所在地の上越市と、上越市に隣接する妙高市だ。両市を代表する駅という思いが込められている。来年3月に開業する北海道新幹線新函館北斗駅の由来に似ている。

上越市の由来は、古来、越後国を京都に近いほうから「上越」「中越」「下越」と呼んでいたから。上越市は上越地方にある。問題ない。そして、上越市にあるから上越妙高駅だ。そこも問題ない。でも、そうなると気になる存在がある。上越新幹線だ。上越新幹線は上越市を通らない。上越新幹線は上越市の東の十日町市も通らず、さらに東側の小千谷市、魚沼市、南魚沼市を通る。この地域は上越地方ではなく、中越地方だ。上越新幹線は本当は間違いで、中越新幹線が正しいのではないか? なんて思ってしまう。

上越新幹線は元から上越地方を通るという意味ではない

しかし思い出してほしい。上越新幹線は「上越線に対する新幹線」である。だから上越新幹線よりずっと前に開通した上越線が上越市を……あれ、通らなかった。そもそも当時は上越市がなかった。上越市は1971年、高田市と直江津市が合併した町だ。

上越線の開業は1931(昭和6)年。上越南線と上越北線が結ばれて成立した。そして、この上越南線も上越北線も、もちろん上越地方を通っていない。ではなぜ「上越」という名称を使い続けたのだろう? 地元の人々も不思議に思わなかったのだろうか?

じつは、上越線の「上越」は上越地方という意味ではない。この路線が結ぶ2つの地域に由来している。「上」は上州、「越」は越後だ。上州は群馬県、越後は新潟県の旧国名である。群馬県の高崎と新潟県の新潟を結ぶ路線として計画したため、上越線となった。

北陸新幹線の上越妙高駅が仮称のまま「上越駅」だったら、上越線の駅だと勘違いされ、さらにややこしいことになったかもしれない。「妙高」といえば長野県の北のほうととらえる人も多いだろう。「上越妙高」という駅名は正解だったといえそうだ。