東京駅で新幹線と在来線を乗り換えるとき、ちょっと違和感があるかもしれない。在来線の1番~10番ホームから東海道新幹線の14番~19番ホームに行くつもりが、途中で東北新幹線方面の20番~23番ホームの下を通ることになる。1~23まで、正しい順序になっていない。そして11番~13番ホームがない。どうしてこうなったのだろう。

懐かしのひとコマ。寝台特急「富士」とポケモン新幹線(20番ホーム)の並び。「富士」は10番ホーム、ポケモン新幹線は20番ホーム。隣なのに10も数字が違う

現在の東京駅地上ホームは、1997年10月から現在の姿になった。丸の内口から順に以下のようになっている。

1997年10月~現在のホーム配置
1番ホーム 中央線(快速) 新宿・高尾方面
2番ホーム 中央線(快速) 新宿・高尾方面
3番ホーム 京浜東北線 大宮方面
4番ホーム 山手線 内回り・上野方面
5番ホーム 山手線 外回り・品川方面
6番ホーム 京浜東北線 大船方面
7番ホーム 東海道本線(主に普通列車) 横浜方面
8番ホーム 東海道本線(主に普通列車) 横浜方面
9番ホーム 東海道本線(主に特急列車) 熱海・伊豆方面
10番ホーム 東海道本線(主に特急列車) 熱海・伊豆方面
20番ホーム 東北方面新幹線 大宮・高崎方面
21番ホーム 東北方面新幹線 大宮・高崎方面
22番ホーム 東北方面新幹線 大宮・高崎方面
23番ホーム 東北方面新幹線 大宮・高崎方面
14番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
15番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
16番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
17番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
18番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
19番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
11~13は欠番

1番・2番は高いところにあって、3番~10番までは順に並んでいる。しかし10番の次は20番~23番だ。次に14番に戻って19番に続く。11番~13番は欠番だ。なぜか20番台が間に挟まっている。11番~13番を改名したのかと予想するけれど、番号が3つ消えて4つ増えている。数が合わない。どうしてこうなったのだろう。

東京駅大改良の歴史の結果だった

1995年7月19日まで、東京駅のホームは1番線~19番線まで順番に並んでいた。ただし、11番線は欠番となっていた。11番線は線路のみの回送用で、ホームがなかったのだ。1980年代のブルートレインブームの頃は12番線と13番線が客車列車用で、回送線を使って機関車を客車の前後に移動させていた。なお、1980年代のホームは次のようになっていた。

1980年代のホーム配置
1番ホーム 中央線(快速) 新宿・高尾方面
2番ホーム 中央線(快速) 新宿・高尾方面
3番ホーム 京浜東北線 大宮方面
4番ホーム 山手線 内回り・上野方面
5番ホーム 山手線 外回り・品川方面
6番ホーム 京浜東北線 大船方面
7番ホーム 東海道本線(主に普通列車) 横浜方面
8番ホーム 東海道本線(主に普通列車) 横浜方面
9番ホーム 東海道本線(主に特急列車) 熱海・伊豆方面
10番ホーム 東海道本線(主に特急列車) 熱海・伊豆方面
12番ホーム 東海道本線(主に特急列車) 熱海・伊豆方面
13番ホーム 東海道本線(主に特急列車) 熱海・伊豆方面
14番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
15番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
16番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
17番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
18番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
19番ホーム 東海道・山陽新幹線 大阪・博多方面
11・16は欠番

東海道本線が6本もある。ただし、1972年頃まで7番・8番ホームは東北本線・高崎線・常磐線に割り当てられていた。また、1979年まで9番~13番ホームは横須賀線と共用していた。上の配置は、地下に横須賀線専用のホームが造られた後の状態である。

1991年6月、東北新幹線を東京駅に延伸したとき、東京駅にはもう新しいホームを造る余地がなかった。そこで、東海道線の12番~13番線ホームを改造して東北新幹線のホームを造った。ただしホームの番号はそのままだった。さらに山形新幹線が開業し、秋田新幹線・北陸新幹線も開通する予定だ。だから東北方面新幹線のホームを増やしたい。しかし場所がない。東海道本線のホームは既に2本減らしているから、これ以上は減らせない……。

そこで、東京駅は大変革を行った。丸の内駅舎側に中央線用の新しい高架ホームを造り、1番・2番ホームとした。中央線の旧1番・2番ホームは3番・4番ホームとし、京浜東北線大宮方面と山手線内回りに使用する。こうして、従来の線路を2つずつ丸の内側にスライドさせた。その結果、ホームの場所は変わっても、路線名とホーム番号は従来のまま継続し、旅客案内は従来通りになった。そして旧9番・10番ホームを東北新幹線用に改造した。このときから、東北新幹線のホームは20番~23番を名乗るようなった。改造とはいえ新しくできたホームなので、東海道新幹線のラスト番号「19」の次で20としたのだろう。そのおかげで、「20番台は東北方面新幹線」と解りやすくなった。

東京駅のホームの番号が不揃いな理由、それは、後からできた東北新幹線ホームが間に割り込んできたからだ。並びは不自然ではあるけれど、このほうが乗り換えのときに解りやすく合理的といえそうだ。