「女性の活躍推進企業データベース」とは?

新しい法律の施行に先立ち、2月29日、厚生労働省は「女性の活躍推進企業データべース」を公表しました。 これは、企業における女性の活躍状況をひとつのウェブサイトで見られるようにしたものです。例えば、採用した労働者の男女比、管理職の女性割合、男女別の育児休業取得率や1カ月の平均残業時間などを、企業ごとに見ることができます。

「女性の活躍推進業データベース」サイトトップ

公開されたばかりなので、サイトは見やすさの面で課題が多いと思います。ただし、今後より見やすく、業種ごとの比較などがしやすくなれば、就職・転職の際に活用できるでしょう。皆さんも、ぜひ一度、このデータベースを見て、自分や友人の勤務先で助成活躍の度合いがどの程度なのか調べてみて下さい。

こうした情報開示が進むにつれて、情報を的確に読み解き、使いこなせる人とそうでない人の差が開いていくでしょう。

自分なりの企業評価指標をもとう

ある企業で女性が活躍しているかどうか評価する指標を自分なりに持つことも大事です。女性管理職の割合などは、業界ごとに違いがあります。平均値を知っておくことで、ある企業が進んでいるのかそうでないのか判断することができます。

また、こうしたデータベースを就活中の学生や転職活動をする人だけでなく、大学や高校の先生、就活支援の担当者が使いこなすことも必要です。

働いた経験がない人は、消費者目線で企業を選びがち。テレビCMを流しているような宣伝予算が潤沢な企業や、商品・サービスになじみがあるBtoC企業に関心が向くことが多いでしょう。

そうした有名企業は、女性に人気があるので競争も厳しいのが現実です。一方、消費者の観点からはなじみが薄くても、技術力が高い企業、財務が安定している企業、長く働ける企業もたくさんあります。

知名度ばかりにとらわれない就職活動

これから就職活動を始める女子学生のみなさん、転職を考えている働く女性、そして彼女たちを支援する立場にある先生や保護者のみなさんには、知名度ではなくデータで企業を見るくせをつけて欲しいと思います。その最初の手がかりとして、冒頭に紹介したデータベースを活用してみてはいかがでしょう。

1年間続いた本連載は今回で最後となります。ご愛読いただき、ありがとうございました。時代は確実に女性が能力を発揮し働き続けられるように変わっています。

ぜひ、前向きに変化を受け止めて進んでいってください!

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著者プロフィール

●治部れんげ
豊島逸夫事務所副代表。 1974年生まれ。1997年、一橋大学法学部卒業。同年日経BP社入社。記者として、「日経ビジネス」「日経マネー」などの経済誌の企画、取材、執筆、編集に携わる。 2006年~2007年、フルブライト・ジャーナリスト・プログラムでアメリカ留学。ミシガン大学Center for the Education of Woman客員研究員として、アメリカ男性の家事育児分担と、それが妻のキャリアに与える影響について研究を行う。またツイッターでも情報発信している。

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