中学生の部活動参加率は全国トップクラス

東日本大震災以降、いろいろと生活が変わらずにおえなくなった福島県。語る人によって様々な姿を見せる福島県をデータから見てみましょう。

肉食<草食!? 野菜や果物を好む県民性

まずは気候。主要なデータの順位を上げてみると、年間雪日数が8位、年間降雪量が12位、年間晴れ日数が31位、年間日照時間が37位、年間雨日数が44位、年間降水量が41位となっています。つまり、雨や晴れの日が少なく、雪や曇りの日が多いのが福島県の特徴です。

福島県は農業が盛んで、農業就業人口は人口100人あたり6.46人で6位(2005年 全国平均2.62人)、県民一人あたり農業生産額は12万512円で14位(2010年 全国平均6万6,059円)です。さらに、生産した米に占める一等米の比率は89.82%で6位(2008年 全国平均76.52%)、水稲10a当たり収量は540.2kgで8位(2008年 全国平均523.6kg)と農業技術も高い。

農業が盛んな福島県の人たちは、もちろん野菜や果物が大好き。一世帯あたり年間果物消費量の12.3kgは全国1位(2010年 全国平均8.9kg)。1日あたり野菜消費量は男性が350gで4位(2010年 全国平均301g)、女性が318gで7位(2010年 全国平均285g)とこちらもトップクラスです。

納豆県は茨城ではなく福島だった!

一方、一世帯あたり年間肉消費量は3.5kgで46位と全国最低クラス。肉よりも野菜を好む農業県らしいデータです。これは店舗数にも表れていて、焼き鳥店舗数は39位、焼き肉店店舗数は46位と肉料理屋がかなり少ないです。

福島県の食事で忘れてならないのが納豆消費量。1世帯あたり年間6,480円は水戸納豆の本場・茨城県を押さえて堂々の1位(2008年 全国平均3,834円)と、日本一の納豆県です。

陸上部・駅伝部加入率は全国トップ

そんな福島県の子どもたちで特徴的なのが部活動。中学男子の部活動参加率は95.26%で1位(2010年 全国平均76.82%)、女子の参加率は69.83%で2位(2010年 全国平均52.91%)で、男子に至ってはほぼ全員が運動部に入っています。

中でも顕著なのが陸上競技部で、男子の加入率は11.82%で2位、女子は9.80%で1位と高率です。これには福島県で盛んな駅伝の影響があり、秋になると他部の足の速いメンバーが兼部して駅伝を走るためなんだそうです(陸上競技部以外にも駅伝部があり、全国の駅伝部員3,882人のうち福島県が2,003人と半分以上を占めています)。特に川本和久監督が率いる福島大学の陸上競技部は全国でも知られる名門中の名門ですが、そもそも福島県には伝統的に陸上競技の環境が整っていると言えそうです。

福島の子どもたちは高卒で働くことが多く、高卒求職率は26.17%で4位。早く働いて早く結婚するためか、女性の初婚年齢(27.9歳)、出産年齢(28.5歳)、20代女性未婚率(65.55%)が全国で最も低く、晩婚化と無縁の土地柄です。

農産物豊かで野菜や果物をよく食べ、元気な子どもたちが多い福島県。本来持っている福島県の魅力、多くの人が享受できる環境が整うことを祈らずにはいられません。

福島県と他都道府県の相関図。東北の県民性と関西の県民性は正反対のよう

700以上のランキングから、福島県の相関関係を筆者が割り出したのが上の地図です。赤は似ている県、青は正反対の県、黄色はどちらでもない県。東北地方にオレンジが広がっていて、福島県が東北各県と似ていることが分かります。一方、関西には青が広がっていて、東北の県民性と関西の県民性は正反対のようです。

※本文と写真は関係ありません

筆者プロフィール : 横道 文也(よこみち ふみや)

統計サイト「都道府県別統計とランキングで見る県民性」主宰。様々なデータを都道府県という切り口から分析し、新たな「おむつとビール」を探すデータマイナー。時系列でデータを分析する「年次統計」や歴史年表を分析する「年表マニア」などのデータサイトも運営。