「Time is Money」という言葉を知っている人は多いと思います。仕事は、ただダラダラと長く取り組めばいいというものではありません。大事な仕事であればあるほど、一気に片を付ける方がいいことも少なくないからです。もし、これから新しい仕事に取りかかるようでしたら、一度、この言葉を思い出して、その仕事に対して準備万端かどうか振り返ってみてください。

本日の孫子

『激水之疾、至於漂石者、勢也、鷙鳥之疾、至於毀折者、節也、是故善戰者、其勢險、其節短、勢如張弩、節如發機』

(激水のはやくして石を漂よわすに至るは、勢なり。しちょうのはやくしてきせつに至るは、節なり。このゆえに善よく戦う者は、その勢はけんにしてその節は短なり。勢いは弩をひくがごとく、節は機を発するがごとし)

意味

激しい流れが重い石をまるで軽石のように浮遊させて押し流すことができるのは、勢いがあるから。猛禽(もうきん)が急降下して、一撃で獲物の骨をうち砕くことができるのは、節目だから。だから戦いの巧者は、戦うタイミングまで限度いっぱいまで勢いをためておいて、その力を一気に放出して短期で決着をつける。例えば、勢いを蓄えるのは、弓(弩)の玄をいっぱいに張るようなもので、節目は瞬間に引き金をひくようなものであると言っています。

解説です!

戦いの中では、時には「勢い」が必要なことがあります。孫子は、力をためるだけ貯めておき、そしてタイミングを見計らって一気にその力を解き放つことが勝利を呼び込むコツだと言っています。

こんなシーンで役立ちます!

孫子は、その言葉の中で度々「節」という言葉を用いています。これは、いわゆる「節目」のこと。孫子は静から動への転換期を意味する言葉として使っています。もしあなたが、これから新しい仕事に取りかかろうとしていたら、まずそれをできるだけの資料や情報が手元にあるかどうかを確認しましょう。そして、条件が整ったことを確認したなら、その力を一気に注ぎ込めば、大概の仕事は上手くいくはず。ただし、大切なのはタイミングです。力と時のバランスを見失わないこと。それが勝利の鍵となるということもお忘れ無く。