【連載】

超次元散歩倶楽部

2 階段の最期

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いろいろな理由により、階段にも終わりが来る。

しかし階段は、階段であるがゆえの高い耐久性により、自然に朽ち果てていく事はあまりない。何らかの事情で役目を終えるとき、大体の場合は人の手によってその機能をストップさせられている様だ。

今回ご紹介するのは、そんな"元・階段"の姿である。

通れない階段

どこに続いていたのだろう(撮影場所: 神奈川県川崎市)

階段を終わらせる一番簡単な方法は、通路としての機能を終わらせることである。入り口もしくは出口を封鎖し、通行ができなくなれば階段の機能は停止する。

この"元・階段"もそうだ。機能としての階段は無くなったが、形は残る。立てかけられた傘が門を守る衛兵のようである。

壁になった階段

往時を思わせる壁(撮影場所: 青森県青森市)

階段を終わらせるもう1つの方法は、壁にしてしまうことである。

この写真は、青森港に係留された船「八甲田丸」が丸ごと博物館となっている「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」の中で撮影した。

船から博物館へと役目が変わるとき、そこに「順路」という概念が発生。来館者を順路通りに導くために生まれ変わったのか、この通り"元・階段"と思しき壁が船内には散見された。

博物館として新たな役目を与えられた「八甲田丸」の、1つの象徴でもあろう。

囲われた階段

何があったのだろうか(撮影場所: 愛知県岡崎市)

とても簡単だが、確実に階段を使えなくする方法。金網。

例え階段がモロ見えだとしても、金網が設置された瞬間から、そこは階段ではなく"囲い"である。

事故でもあったのか、それとも昔あった何らかの役目が終わったからなのか、こんな小さな階段がわざわざ封鎖された理由が分からない。目の前に階段はあるのに階段として扱われない不思議。住宅地には時々こういう謎の存在が隠れている。

そういえば僕が子供のころ、いつもの公園で遊んでいると、フラリと現れた老人が敷地の隅っこにある苔のついた石を見つけ、嬉しそうに持ち帰っていった事に衝撃を覚えたことがある。自分でテーマを決めれば、何気ない散歩道もコレクションの宝庫だ。

<著者プロフィール>
zukkini
1982年佐賀県生まれ。進学のため上京するも友達が全く出来ないことに絶望し、ネット上で日記を書き始めて15年。
現在は残飯系情報サイト「ハイエナズクラブ」を主催し、「オモコロ」のライターとしても活動中。
趣味は録画した「警察24時」を繰り返し観ること。

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インデックス

連載目次
第7回 扉をやめた扉
第6回 あきらめた肉体改造
第5回 駐車場を観察する
第4回 小さいものたち
第3回 公衆便所アート
第2回 階段の最期
第1回 呼吸の合わない風景

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