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鉄道ニュース週報

9 九州新幹線(西九州ルート)に「リレー方式」案、それってどうなの?

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九州新幹線(西九州ルート)が面倒なことになっている。2月24日、JR九州が武雄温泉駅で在来線列車と新幹線列車を乗り換える「リレー方式」を提案したと報じられた。佐賀県知事も長崎県知事も前向きな態度だ。早期完成のためにはやむなし、という。

九州新幹線(西九州ルート)の略図

新聞報道などによると、博多~長崎間は現在の乗換えなしの在来線特急列車だと1時間48分。「リレー方式」では乗換え時間を5分としても1時間35分かかるという。過去の例を見ると、新幹線が開業した場合、在来線特急列車よりも料金は上がる。直通列車と、乗り換えて13分早く着くとはいえ割高な新幹線。利用者にとってどちらが良いだろう?

そもそも、博多~長崎間の新幹線ルートは名前が面倒だ。報道で用いられる「長崎新幹線」は俗称である。国の新幹線整備計画では「九州新幹線(長崎ルート)」。建設当事者の鉄道・運輸機構と長崎県、佐賀県は「九州新幹線(西九州ルート)」と表記している。経由地の佐賀県への配慮といわれている。本誌でも「九州新幹線(西九州ルート)」の検索結果が多い。本稿でも「九州新幹線(西九州ルート)」で話を進める。

九州新幹線(西九州ルート)は複雑な経過を経て、フリーゲージトレインを採用する。理由は在来線区間と新幹線区間が混在するからだ。博多~新鳥栖間は鹿児島ルートに乗り入れる。新鳥栖~肥前山口間は長崎本線、肥前山口~武雄温泉間は佐世保線で、武雄温泉~長崎間はフル新幹線規格になった。つまり「新幹線~在来線~新幹線」となるわけで、直通する列車として、異なる軌間を走行できるフリーゲージトレインの開発が進められた。2012年に着工したときの開業予定は2022年度末だった。

しかし、フリーゲージトレインの開発は難航している。それでも政府与党は2015年1月、武雄温泉~長崎間のフル規格区間について、「2022年度末の予定を前倒しする」意向を示した。これはフリーゲージトレインの技術開発とは関係なく、新幹線開業後の利益を見込んで、建設費を前倒しする方針になったからだ。

フリーゲージトレイン試験車両。2014年に完成し、九州の新幹線・在来線区間で走行試験も行われた

ところが、フリーゲージトレインの開発はさらに難航する。2015年12月には、国土交通省はフリーゲージトレインの開発の遅れを理由として、博多~長崎間の開業が2022年度に間に合わないと公表した。

長崎県側としては納得しがたい。「長年の悲願がかない、やっと2022年度の開業が決まった」「さらに前倒しする可能性もある」として期待が膨らんでいた。持ち上げられて突き落とされるような思いだ。フル規格区間は準備できても、2022年度に開業できない。フリーゲージトレインの試作車を営業運転で使うという案もあるけれど、試作車の数が少ない。予定する運行本数には足りない。

そこでJR九州が持ち出した次善の策が「リレー方式」である。ただし、前述のように「リレー方式」は現在の博多~長崎間特急「かもめ」と比べて18分しか短縮されないし、乗換えが必要。料金も上がる。武雄温泉駅について、在来線と新幹線を同じホームで乗り換える仕様に改修すると、約7億円も費用が増えるという試算もある。これも運賃や料金に上乗せされるはずだ。

通勤時間帯の18分短縮は魅力的で、わずか5分程度の時間短縮のために各駅停車から快速電車に乗り換える人は多い。しかし、1時間半以上も乗車し、ほとんどの客が座った状態でくつろげる特急列車について、18分短縮のための乗換えは歓迎されるだろうか?

中途半端な形で開業するくらいなら、フリーゲージトレインの完成を待つか、改めて全区間をフル規格で作るか、在来線区間を改軌して、山形・秋田新幹線のような新在直通タイプにしたほうが良いのではないか?

与党の九州新幹線(西九州ルート)検討委員会は、自治体とJR九州の意向を踏まえ、3月中に方向性を定めたいという。どうか利用者の立場も踏まえて議論してほしい。

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