英国格付け会社のスカイトラックス社のランキングなどでも、トップ10の常連となっているエティハド航空(本拠地: アブダビ)。欧州・アフリカ路線も幅広く展開しているだけではなく、比較サイト等で検索してみると分かるのだが、思いのほか手頃な価格で利用できることも多い。ANAのマイルが貯まるのもうれしいところ。もちろん、機内食にも抜かりはない。

人気のエティハド航空、その機内食はいかに!?

アメニティーにも注目!

エティハド航空の日本路線は成田/中部=アブダビ線(中部線は北京経由)があり、両路線ともにボーイング787-9を運用している。CAたちの笑顔のお出迎えを経て中に進むと、アラビックな音楽が流れており、ちょっとテンションが上がる。今回は、片道約10時間の成田=アブダビ線で、往復ともにエコノミークラスを利用した。

日本路線にはボーイング787-9を導入している

成田出発は17時30分、アブダビ到着は翌0時35分。日本の時間で考えると、夜ご飯と超早朝ご飯になるわけだが、2食しっかりメニューがそろっているので、できればおなかを空かせてから搭乗したい。

パーソナルモニターもコントロールもタッチパネルを採用。様々な様式にあわせたコンセントのほか、USBの差込口もある

エコノミークラスでもアメニティーを用意している。ポーチの中身は、歯ブラシと靴下、耳栓、そしてアイマスク。このアイマスクは両面デザインで、「Do Not Disturb(起こさないでください)」「Wake me up to eat(食事の時は起こしてください)」と書かれている。これでCAとコミュニケーションができるなんて、ちょっと面白い。

アメニティーも用意。アイマスクはぜひ、機内で活用を

日本発は抹茶味とともに

搭乗後、しばらくしてスナックを配られた。封を開けてみるとあられだったのだが、やけに色鮮やかなグリーンのあられが混じっているのが気になった。もちろん、味は普通のあられなので安心して食べてほしい。イスラム圏の航空会社ではあるものの、ちゃんとビールやワイン、スピリッツなどもそろえている。

なんだかカラフルなあられも混じっている

機内食のメインは、チキン・パスタ・フィッシュの3種類から選べる。この内、日本路線のフィッシュは和食に当たるようで、スプーンやフォークなどとともに箸も用意されていた。

1食目はチキンをチョイス。蓋をあけるとたちまちスパイシーな香りが広がり、一気に食欲が湧いてきた。メインには、大きめなチキンが2個の横に、カシューナッツを載せたサフランライスが盛られている。肉質はやわらかく、適度な脂加減。濃い味付けでご飯が進む。

サイドメニューとして、ミックスベジタブルとポテトのサラダ、パン、そして、抹茶のムースが並ぶ。このムース、思いのほか量が多いのだが、中東のスイーツによくある極甘系ではなく、最後までおいしくいただけた。

スパイシーなチキンはサフランライスによく合う

どうせなら和食も食べてみたい。2食目で選んだフィッシュメニューは、白身魚フライのあんかけのそばに、ホウレンソウとニンジン、カボチャが添えられていた。個人的にはこのカボチャが気に入り、ホクホクした食感と優しい甘さがちょうど良かった。1食目にサフランライスを食べたということもあり、ゴマを載せたいかにも日本風なご飯は、お米特有の甘味も感じることができたような気がした。固さはやわらかめだった。

サイドメニューは、梅で味付けられたイカとインゲンとニンジンのサラダ、パン、そして、抹茶のキットカット。1食目も2食目もスイーツは抹茶味なところに、「みんな、抹茶好きでしょ?」という無言の声を受けた気がした。もちろん、日本人も外国人も抹茶味のスイーツは大好きだろう。

甘い白身魚フライはホクホクのカボチャとともに

不思議なパスタに遭遇

復路は、アブダビ出発は22時10分、成田到着は翌12時45分。実のところ、筆者はトランジットを利用してアブダビ観光し、たらふくケバブを食べた後だったので、搭乗した時はさほどおなかが空いていなかった。とは言え、CAがカートを引いて現れると「何を食べようかなぁ」と自然に考えてしまうのだが不思議なものだ。

1食目はパスタを選んでみた。蓋を開けた瞬間のおいしそうなにおいで、おなかにもスペースができる。パプリカやナスなどが入ったトマトベースのソースの上に、チーズがたっぷりかかっている。ただ、パスタの形が独特で、「リゾーニ」と呼ばれる米のような形をしたショートパスタが使われていた。ご飯のようなツブツブ感で、モチモチとした食感が楽しい。ちなみに、アブダビ以遠の路線でもパスタを食べたが、その時はペンネのパスタもあった。

たまたまかもしれないが、この時のサラダがやや凍ったままで、キュウリとともに黒豆が和えられていた。スイーツは、タピオカみたいな食感のスイーツの上に甘いアプリコットジャムがトッピングされていた。

このショートパスタ、「リゾーニ」というようで、食感もなんだかお米のよう

2食目ではフィッシュをチョイス。往路のフィッシュとは違い、今度はご飯の上に大きな白身魚フライのあんかけが盛られていた。あんは甘辛く、身はほろっと崩れる。サラダは1食目と同様、豆が入っているが、こっちの豆はちょっと大きめ。さくっとした食感で、箸休めにもちょうどいい。こちらのスイーツは、往路に登場した抹茶味とは違って、ミルクチョコレートだった。

白身魚フライが豪快にオン

総じて言うと、量もしっかりあり、また、味付けも日本人にも好まれる味わいように感じられた。メインを3種類から選べるのもうれしいところ。日本路線には必ず日本人CAも乗務しているので、もし機内でのトラブルのほか、アブダビ観光について聞いてみたいなどあれば、頼りにしてみるといいだろう。

※記事中の機内食は、2017年11月の成田=アブダビ線で提供されたもの