【連載】

なぜ日本人はFXで負けるのか?

3 「鬼の言葉」を理解する

佐々木徹
 
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世界で最初に近代的なトレードが確立された国……それは日本です。諸外国が占星術や易などの牧歌的な方法を使っていた時期、堂島の米相場ではチャート分析からアービットラージまで何でもありでした。では最先端を走っていた日本人の多くが、なぜ今になってFXで負けるのでしょうか?

本コラムでは欧米式トレードを1,400名超に教えるユーデミー人気講師が「日本人がFXで負ける理由」をバッサリ解説します。


「缶蹴り」で遊んだことがある方はいますか? 私は愛媛県のみかん農園のど真ん中で育ったので、そんな遊びばかりしていました。捕虜になった仲間を奪還するため、鬼が監視する缶に飛び込んで蹴り飛ばすアレです。

同じように、FXの相場もある意味で鬼が監視しているので、その思考回路を読み飛び込んで蹴る必要があります。「じゃあ鬼って誰だよ」って話ですよね(笑)

変な話ですが、第二次世界大戦が終わってからの世界は、ある意味で欧米が軸になって動いています。主流の言語は英語。主流の通貨は米ドル(少し前は英ポンド)。主流の相場は英国・米国という具合です。

そう、たとえに出した「鬼」は、英語圏の市場参加者です。

FXの相場を監視する「鬼」の思考回路を読むには?

実は日本人は英語ができる

「日本人は」というくくりで書く以上、必然的に避けて通れないテーマがコレ、「英語」です。

英語人口が15億人に対して、日本語人口は1.2億人。入ってくる情報量も日本語だけだと8%にしかならない計算となります。ちょっと待ってくださいね。ここで「日本人の英語は駄目だ!」的な話を展開するつもりはありません。逆です。日本人は結構英語ができます。ところがなぜか私たちは英語ができないと思い込まされている。

・発音が悪い
・格好いい言い回しができない
・ネイティブみたいに話せない
・鼻が低い(←私)

たしかに、英国や米国に行くと、はじめは自分の英語力のなさを痛感します。ところが急に自分の英語がうまくなった気になれるときが2つあります。

まず1つ目は、高額商品を買いに行ったときです。特に車などを買いに行くと、私のように下手な英語をしゃべる相手でも、相手は頑張って理解しようと、ものすごく分かりやすい英語で話してくれます。売れれば自分の利益になるから、頑張って第2言語レベルに降りてきてくれるわけですね。わかりやすいです!

2つ目は、日本と同じように英語が母国語ではない人たちと会って話すときです。私たちと同じく、学校で習った規則的な文法でやりとりをするので、ものすごく通じます。

ですから英米に行き英語に自信が持てなくなったときは、「1. 高いものを買いに行く」「2. 英語が公用語でない人たちと話す」ことで解決できるかもしれませんね。

話がそれました。トレードの情報を本気で取りに行こうとすると、残念ながら鬼が話す言葉……英語を読まざるを得ません。

FXで勝つには「英語」を理解する必要がある

缶を蹴るためには、鬼の言葉を理解する必要があるわけですね。ただ外為(FX)を経験する人は、知らない間に英語を理解せざるを得ない状況に身を置きます。

なぜなら、トレードを執行するためのシステムは、欧米で完成されたものを日本語に翻訳したものがほとんどで、その中には翻訳しきれないものが結構あるからです。「そんなん日本語化をさぼっているだけやん!」と思われるかもしれませんが、そうでもないのです。

英語圏の人たちは略称が大好きです。ちなみに、私も勤め人をしている間は周りから「KY……空気よめない!」のレッテルを貼られていました(笑)。

例えば「STP」は、ストップオーダー……指定した値段まで行くと自動的に成り行き注文を執行する逆指し値の注文形態を指します。また「OCO」は、2つ入れた注文の片方が執行されたら、もう1つは取りやめする注文という具合。

こんなふうに注文の形態を短縮、というか「圧縮」して表記します。それを日本語に「解凍」した上で翻訳し直そうとすると、システムのレイアウトに収まりません。更に半角英数の文字を全角に組み替えようとすると、予測不可能なエラーが出たりするので、結局「STP」は「STP」のままになってしまいます。

つまり外為市場で取り引きをしようとする以上、遅かれ早かれ最低限の用語は英語で理解できた方が、使える取り引きシステムも選択肢が広がるということです。同じように、トレードに関する基本的な情報も英語の方が圧倒的に多くなります。

英語が苦手な人は図柄から入ってみる

ではどうすれば少しでも英語の情報を無理なく入れていけるのでしょう? よく、「英語は苦手だけど海外の歌手が歌っていることを理解したくて、そこから英語が分かるようになった」という話を聞きます。

同じように、いろんな英語圏の人が図柄で発信しているトレードのアイディアを見ながら、気に入った図柄があれば書いている人のコメントを見ていくということがよいかもしれません。

例えば「TradingView」というサイトでは、英語圏の人がたくさんアイディアを投稿しています。

「TradingView」より引用

こうした情報をザーッと見ながら、自分が考えていることに近い分析の仕方をしている人を見つけてみると良いかもしれません。そこで書いている英語を翻訳ソフトででも読むことを続けていけば、よく使われる用語などは頭の中に入ってくるようになります。簡単ですので、試してみてくださいね。

執筆者プロフィール : 佐々木徹(ささきとおる)

「FX為替チャート」運営、株式会社ファム代表取締役、米国テクニカルアナリスト協会公認資格CMT検定1級保持者。現役トレーダー、起業家、マーケティング・ストラテジスト。 ベネッセが提供する米オンライン教育サービス「Udemy」にて1,700名(2016年3月現在)を超す受講生をもち、2014年には日本人初のトップ15講師入り。ユーデミー講義「迷いが晴れるトレーディングガイド」では、ライフスタイル別のトレード戦略を作り上げるための基礎を提供している。ブログ「FX為替チャート」にてトレードの基本をまとめた電子本とビデオ講義を無料プレゼント中。
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インデックス

連載目次
第3回 「鬼の言葉」を理解する
第2回 帰宅トレーダー vs. ご当地通貨
第1回 日本円が主役ではないという現実
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