春といえば心ときめく「恋愛」の季節。花は開けど心は寒しといったぼやきはやめにして、目一杯春を感じながら是非諸君の意中の人をデートに誘おうではないか!、そして新たな恋をスタートさせてみようではないか!!……ということで今回はファーストデートについて少し語ってみようと思う。

ファーストデートっちゅうやつは、諸君も十分に分かっているだろうが、結構厄介なもの。初めてということで相手に対する気配りも半端じゃすまないし、あとで後悔なんてこともしたくない。でも人間というのは緊張したり場が持たなくなると、つい余計なことや、言うべきでないことまで口にしてしまうのが常。結果デートは台無し、彼女もがっかり、なんてことになるのがおち。

そこで諸君への教訓として、ファーストデートでは絶対に話題にしてはいけない「禁句十か条」たるものを伝授しよう。

【その1】I love you.

この言葉、「愛している」ということを告げることでは定番中の定番もんだが、そう簡単に使うべきではない。もし「好きだよ」「僕は君が好きなんだー!」と告げたいなら"I like you."を使うべき。そしてそのバリエーションの"You know, I like you.(僕君のこと好きだなぁー)"とか"I like you a lot.(僕結構君のこと好きだよ)"もいい。こう言うことで「好き」というよりは「好感を持っている」って感じになり、彼女への精神的負担もない。

【その2】sex

どんな内容であれファーストデートに性的な話題はいかにも不謹慎。「やっぱりそれが目的なんだ!」と最悪のレッテルを貼られてしまうこと請け合い。万が一ファーストデートで即深い関係になってしまったとしたら、それは偶然以外の何者でもないと思うべし。

【その3】Ex-girlfriend

"Ex-"は「元の」って意味。やたら元カノのことを口にする男どもがいるが、女性にとってはそんな話は聞きたくもない。特に悪口はもう最悪。興ざめさせてしまうのがおち。女性の話をするなら今目の前にいる彼女のみを話題にすべし。

【その4】Would you like to meet my parents?

「僕の親に会いたい(ですか)?」といった質問も禁句。これじゃ「えっ、まだお互い知り合ったばかりなのに、もうそこまでいっちゃうの!?」なんて印象を与えてしまうし、焦って"my parents"を"my mother"にして"Would you like to meet my mother?"なんて言おうものなら「マザコン」を暴露しているのと同じになってしまうと心得よ。

【その5】Marriage

これは「Would you like to meet my parents?」と似ているが、「結婚がどうたらこうたら……」でスタートするデートは恐怖の旋律を奏でる何者でもないそうな。たとえ諸君がそのデートのはるか延長線上に「(あわよくば)結婚」というゴールを見ていたとしても、「結婚を前提に」なんてことを匂わすようなことはファーストデートでは Bad, bad, and bad!! 「僕結婚したらね……」や「結婚ってさ……」なーんてことを気軽に言ってしまうのは無しにしよう。

【その6】I'm a failure.

初めてのデートで「僕はダメ人間なんだ」「僕ってダメな奴さ」のような発言はもってのほか。たとえ心のどこかでそう思っていたり、たまたまその日イヤなことや落ち込むことがあってちょっとばかり愚痴りたい気持ちになっていたとしてもこんなことは絶対口にすべきではない。

【その7】I have to get this.

これは「これを取らなくちゃ=この電話に出なくちゃ」という意味。携帯はもう常識なので、いつ何時掛かってくるかは分からない。しかし、ファーストデートの相手の前で第三者から掛かった電話に応答する、それも長々と会話するのは禁物。"your date should be your main focus"(デート相手にこそ集中すべき)だからだ。だからもし携帯が掛かってきたとしても"I'm with this gorgeous girl now. I don't have time to talk to you.(僕は今この素晴らしい女性と一緒で、君なんかと話す時間はない)"ぐらいのことは言えるようにしておこう。

【その8】How much money do you make?

仮に何かしら会話の流れで発したものであっても、「君ってどれくらいお金を稼いでいるの」なんて聞くのは不適切。諸君にそんな気はなくとも、"It leaves her to believe you're a gold digger.(この人お金目当てにわたしに近づいたのかしら)"とか、最悪の場合は「この人ひょっとしたら結婚詐欺師?」なんて思わせてしまう可能性だってある。ちなみに"gold digger"はここでは「金品目当てに異性を誘惑する人」のこと。

【その9】I hate kids.

ファーストデートで「子どもが嫌い」という発言も禁句。諸君の優しさが問われることになるし、もし相手が子ども好きだったら、この一言でまず2度目のデートはなくなるだろう。

【その10】I'll call you, I promise.

デートの別れ際に「また絶対に電話するね、約束するよ」なんてことは言わないように。もしその日の相手が気に入って、また会いたいと思うなら"Can I call you again?(また電話していいかな?)"とか"Can I see you again?(また会えるかな?)"とお伺いをたてる言い方にすべき。これで次回があるかどうかは女性側に委ねるという男としての優しさと思いやりを演出できるのだ。

以上。ちなみにこれらは欧米で恋愛コンサルタントを名乗るお偉い先生方から恋愛通のアドバイザーたる人たちまで口を揃えて警告するガイドラインなるものなので、デートに備えてよーく頭に叩き込んでおくことをお勧めしたい。

ではまた次回。