【連載】

関西オモシロ鉄道の旅

14 JR大阪環状線「巨大103系」玉造駅に出現!?

14/36

JR大阪環状線が、文字通りの「環状線」として本当にぐるぐると環状運転を始めて、50年以上が経つのだそうです。いや、じつはもっと歴史が古いと思ってました。もっとこう、戦前とかからなのではないかな……なんて、とくに根拠はないんですけど、筆者自身はそんな風に思い込んでたんですね。

大阪環状線玉造駅に出現した「巨大103系」。その横を本物の103系が駆け抜ける

内回り・外回りのどちらに乗っても「素の大阪」を味わえる

その理由はきっと、駅とかの施設やら沿線風景やらがじつに懐かしい味わいを醸し出しているからでは? と思ってるんですが。もっとも、完全に「輪」としてつながって、電車がぐるぐる回るようになってからが50年以上、ということであって。実際のところ、大阪環状線の大部分の区間ができたのはもっと古いんですね。

大阪環状線の電車で大阪駅から天王寺駅へ向かう場合、内回りに乗っても外回りに乗っても、ほぼ時間は同じです。しかし、沿線の景色はずいぶんと違います。住宅地や港に近い街の景色が広がる内回り(西九条経由)に対し、グランシャトーでおなじみの京橋、「ホームに降り立つと焼き肉のにおいがする」鶴橋など、繁華な街中を走り抜ける外回り。どちらも趣深い、素の大阪を堪能できます。

西側の区間は住宅地や港町の景色が広がる。沿線の桜が美しかった

早朝の朝日を受けて大阪環状線の電車が走る

筆者はいまから10年ほど前まで、天満駅近くの職場に通っていました。大阪駅から外回りに乗って1駅です。

当時、東京から朝イチの「ドリーム号」で帰ってきて、そのまま出勤! なんていうこともありました。そんなとき、まだ時間が早いな……と思った場合に、あえて大阪環状線の内回りに乗ることがありました。いわゆる「大回り乗車」。暑くも寒くもなく、ちゃんとした座席に座れる場所で、およそ40分の時間調整ができるので、かなり重宝していました。早朝の安治川付近や、春の季節の桜ノ宮など、すばらしい沿線の景色も楽しめました。

まあ、真面目に通勤してる人たちにとっては、少なくとも筆者1人分余計に混雑するわけで、迷惑をおかけしてしまっていたのですが。

通常の103系の約3倍!? 常識を覆す掟破りな外観に驚き

さて、いま大阪環状線では、「大阪環状線改造プロジェクト」というのが進められています。駅やその周辺がいろいろと整備されたり、沿線に新しいものができたりするらしいです。将来的には、新型車両を投入する予定もあるとか。

その一環で、玉造駅に「巨大103系」が出現! という話を聞いたので、見に行くことにしました。駅を降りると、そいつはいきなりいました。

「巨大103系」の正体は商業施設「ビエラ玉造」。3月18日にオープンした

で、でかいです……。ざっと見たところ、通常の103系の3倍近く横幅があります。こいつがもし本当に大阪環状線を走ったとしたら、すべての駅のホームが、「ガリゴリガリゴリ」と2m以上削られてしまうでしょう。もしそこが島式ホームだったとしたら、それこそ昔の春日野道駅(※阪神電車の春日野道駅はかつて、島式ホームの横幅が2.6mしかなく、日本一幅の狭いホームで有名だった)のような「惨状」になってしまうでしょう。

「巨大103系」の最後部には階段が

この「巨大103系」、中はどうやら保育所になっているみたいです。台車にあたる部分は飲食店になっているし、「103系界の常識」(!?)を覆す、掟破りなやつです。そして最後部は……、普通に階段になっていました。ちょっと詰めが甘いですね(笑)。しかしこの「ビエラ玉造」、なかなか侮れません。

そういえば、こないだ地下鉄に乗ったとき、ホームの柱に「列車風(れっしゃふう)にご注意」というポスターが貼られてありました。そのときはピンと来なかったんですが、あれはきっと、普通の電車に混じって、こういう「列車風のなにか別のやつ」が走ってくるから注意しましょう、という意味だったんですね。納得しました。

皆さん、気をつけましょうね。

14/36

インデックス

連載目次
第36回 さよなら、たま駅長 - 和歌山電鐵貴志川線
第35回 紀伊中ノ島駅・紀和駅を歩き、栄枯盛衰を思う
第34回 水軒駅は遠かった… - 南海電鉄の廃線跡を歩く
第33回 381系引退か!? 特急「くろしお」の思い出
第32回 トワイライトエクスプレス「さよなら特別メニュー」公開!
第31回 国鉄時代のイメージから一転、発展を続けるJR尼崎駅
第30回 信楽高原鐵道が運行再開! 1年2カ月ぶりの列車を見届ける
第29回 嵐電 - 魔界都市・京都の魅惑スポットを結ぶ路面電車
第28回 京都の紅葉シーズン到来! 嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車
第27回 ラッピング電車がいっぱい! 京阪石山坂本線
第26回 叡山電鉄で秋の鞍馬へ - 「異世界の旅」を味わう
第25回 「トワイライトエクスプレス」大阪での走行シーンを見届ける
第24回 「Peach」カラーになった南海特急「ラピート」乗車記
第23回 山陽電気鉄道、阪神電車もお世話になってます!
第22回 夏の甲子園駅 - 大規模リニューアルも進行中
第21回 休止から40年、姫路モノレールの廃線跡を訪ねて
第20回 「飾磨港線」姫路に残る廃線跡をたどる
第19回 別府鉄道野口線・国鉄高砂線の廃線跡をたどる
第18回 廃止から30年、別府鉄道土山線の廃線跡をたどる
第17回 あれから6年…三木鉄道、全長6.6kmの廃線跡をたどる
第16回 南海電鉄「赤いラピート」が来た! テンション上がる
第15回 北大阪急行線、新型車両9000形「POLESTAR II」デビュー
第14回 JR大阪環状線「巨大103系」玉造駅に出現!?
第13回 2014年春、桜のある鉄道風景
第12回 閉館近づく交通科学博物館で、昭和の空気に触れる
第11回 「あべのハルカス」と「堺トラム」、そして謎の線路
第10回 阪神国道線・甲子園線を走った「金魚鉢」電車に会いに行く
第9回 和田岬線で「古い友人」たちに出会った
第8回 阪急電鉄の新型車両1000系で、改称間もない神戸三宮駅へ
第7回 阪急京都線に開業した新駅「西山天王山」を訪ねて
第6回 山陰本線、余部鉄橋の記憶(後編)
第5回 山陰本線、余部鉄橋の記憶(前編)
第4回 JR桜島駅、何で鹿児島じゃなく大阪にあるんですかね?
第3回 浜寺公園駅の洋風駅舎で「本物のレトロ」を味わう
第2回 阪堺線に登場! 新型低床式車両「堺トラム」に乗る
第1回 さよなら30系! 大阪市営地下鉄の思い出

もっと見る

関連製品をチェック

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事