今回は、塩辛を味の決め手に使った酒のつまみにもなる大人向けのチャーハンを紹介しよう。塩辛にはクセがあるが、そのクセを消すのではなく、同じくクセのある食材・セロリと組み合わせている。レシピを開発してくれたのは、東京・青山の中華料理店「Essence」のオーナーシェフ・薮崎友宏さん。

ヒントになったのは中華料理で使われるエビを発酵させて作った蝦醤(ハージャン)という調味料。塩辛と似たクセがあり、セロリや空芯菜など独特な風味の素材と合わせるとおいしいということで、今回は塩辛&炒めなど、ちょっとクセのある食材と組み合わせるとおいしいのだとか。今回もその原理を活用していて、塩辛とセロリがお互いのクセをうまくまとめ合い、クセになるおいしさを作りだしている。

「塩辛とセロリの"フタクセ"チャーハン」

材料(1人前)
ごはん 180g / 卵 1個 / 塩辛(イカ) 50g / セロリ 50g / 万能ネギ 適量 / サラダ油 大さじ1
1.ごはんはレンジで温め、ボウルに入れておく。溶き卵と塩辛を加え、混ぜ合わせる。
2.セロリは皮をむいて1cm角に切る。フライパンを温めてサラダ油をひき、セロリを加えて中火で炒める。
3.セロリの香りが出て透明になってきたら、1を加えてさらに炒める。塩辛から水分が出るので、焦げない程度の中火で少し長めに炒めると、パラリとした仕上がりになる。
4.仕上げに万能ネギを加えて全体を混ぜ合わせ、皿に盛り付ける。

塩辛は、溶き卵と一緒にごはんに混ぜて、まとめて一気に炒めて手間をカット。塩辛は濃厚なので、味付けは基本不要。味を見てから、気になる時だけ塩などを足してみよう。アレンジする場合は、セロリの代わりにバジルやセリ、ニラ、ニンニクの葉など、香りのある食材を組み合わせてみるとよいだろう。

教えていただいた料理人

「Essence」オーナーシェフ兼ソムリエ
薮崎友宏さん


横浜中華街の老舗「菜香新館」にて修業を開始。26歳で立川店の料理長に抜擢される。その後、広東省で家庭料理を学び、北京の大学で薬膳の研修を受ける。中国政府認定の国際薬膳調理師の資格も有する。2007年3月に東京・青山「Essence」料理長、2008年に同店オーナーシェフに。同店では薬膳も取り入れ、広東料理をベースにした料理を提供。チャーハンは4種類を用意し、近隣へのデリバリーも行っている。

「Essence」
住所: 東京都港区南青山3-8-2 サンブリッジ青山1F
TEL: 03-6805-3905
この連載では、家庭で再現しやすいよう、卓上コンロと一般家庭にあるテフロンフライパンを使って調理していただいています。

撮影: 中村浩二