【連載】

脱社畜的「会社の歩き方」

1 就職活動で「一生の仕事」をさがすのは間違っている

 
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はじめまして。日野瑛太郎と申します。普段は「脱社畜ブログ」というブログで日本人の働き方についての記事を書いています。この連載では、「社畜にならないために、会社とはどういう姿勢でつきあっていけばよいのか?」について、いろいろな側面から考えていきたいと思っています。第1回目のテーマは、僕たちが会社とつきあいはじめるきっかけとなる「就職活動」についてです。

就職活動をする段階になって、「やりたい仕事」が見つからずに困ってしまう学生は多いものです。なんとなく気になる業界や会社はあるものの、「それを一生の仕事にできるか?」と自問すると「そこまでは……」と思って二の足を踏んでしまうことはよくあります。「子供のころから◯◯になるのが夢でした!」と目を輝かせながら語れる人はいいですが、そういう熱い思いがない人はどうすればよいのでしょうか。それでもなんとかして「一生の仕事」をさがさなければいけないのでしょうか。

僕はそもそも、就職活動で「一生の仕事」をさがす必要はないと考えています。就職活動をそのような「人生を左右する大イベント」と捉えてしまいすぎると、逆に追い詰められてしまいます。もっと肩の力を抜くべきです。

一生の仕事が一発で見つかるわけがない

どんなに事前に企業のことを調べ、先輩社員に話を聞いても、実際に就職してみると仕事の内容が想像していたものと違ったということはよくあることです。そもそも、多くの会社では就職活動の時点ではどの部署で、どういった人たちに囲まれて、どんな仕事をすることになるのかはわかりません。結局は、実際に就職して働き始めてみないことにはその仕事が自分に適していたかどうかは判断不可能なのです。こんな状況では、「一生の仕事」などさがせるわけがありません。

それでも無理に「一生の仕事」をさがそうとしてしまうと、最終的には「思い込み」に頼る以外になくなってしまいます。「これはきっと自分にとって一生の仕事なんだ、この会社は最高の会社なんだ」と自分で自分を納得させるのです。これはあまりにむなしい行為です。

就職活動はくじ引き

就職活動は、基本的にはくじ引きです。運によって左右される要素はかなり多くあります。実力が一切反映されないとは言いませんが、大学受験のように実力があれば確実によい結果が出せるものでもありません。

例えば、就職活動は景気の影響を強く受けます。たまたま就職活動を行う年の景気が冷え込んでいれば、それだけで活動は不利になります。面接官の機嫌も合否に影響しているかもしれません。そしていざ内定をもらっても、実際にどんな仕事をすることになるか、それが自分に適しているかは「運次第」です。就職活動をするにあたって、未来をすべて自分の手で決定することはできません。

就職活動で「一生の仕事」をさがそうとするのは、くじ引きで「最初の1回で必ずあたりをひく」ことを狙うのと同じです。とてつもない強運の持ち主であればこれも可能かもしれませんが、普通の人には不可能です。

軌道修正しながら進めばいい

就職活動は、しょせん「最初の職探し」にすぎません。最初の選択がうまくいかなくても、その後また選択をすることは可能です。今はもう終身雇用にとらわれるような時代ではありません。転職の選択肢は誰にでもありますし、それを最初の就職の時点で前提に考えることは何らおかしなことではありません。

いきなり正解をさがそうとせずに、軌道修正しながら進んでいったほうが実際には正解にたどり着ける可能性が高まります。そういう意味で、就職活動は「一生の仕事」をさがす機会ではなくあくまで「最初の仕事」をさがす機会と捉えておいたほうがよいでしょう。就職活動が重要ではないと言うわけではありませんが、「人生を左右する大イベント」と言うほどではありません。人生はその後も軌道修正が可能ですし、むしろ積極的に修正していかなければならないのです。

<著者プロフィール>
日野瑛太郎
ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)がある。

(写真は本文とは関係ありません)

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インデックス

連載目次
第25回 気持ちよく前に進むためにおさえておきたい上手な会社の辞め方
第24回 プライベートを死守するために気をつけたい3つのこと
第23回 上司・先輩に上手に反論する技術
第22回 職場の苦手な人とは「あいさつだけの関係」を目指せ
第21回 自慢話ばかりするのは、自己肯定感が足りないかわいそうな人
第20回 「定時に帰る」意志がない人は定時には帰れない
第19回 「責任感」というマジックワードに騙されるな
第18回 努力が苦にならない人は「社畜」になりやすい
第17回 「社畜」と周りから思われないために気をつけたいSNSの使い方
第16回 違法な労働を強制され、壊れたらあとは捨てられる - 奴隷型社畜
第15回 社内の異動や昇進の話に関心を抱きすぎ - 腰巾着型社畜
第14回 乾杯の音頭が「定年までしがみつこう!」 - 寄生虫型社畜
第13回 不相応な「経営者目線」で、会社に人生を利用されてる? - ハチ公型社畜
第12回 社畜以外が会社にいるのが許せない! 「ゾンビ型社畜」への対処法
第11回 終身雇用が「社畜」を生んだ? - 「社畜」という言葉の歴史
第10回 職場の「困った上司」にどう対処するか
第9回 気の進まない「飲み会」はこうやって切り抜けろ
第8回 議事録をスクリーンに映して、「不毛な会議」に対抗する
第7回 脱社畜的「有給休暇の取り方」
第6回 新人が残業をすべきではない理由
第5回 「ブラック部署」に配属されないためにやっておきたいこと
第4回 社畜にならないために、入社までに考えておきたい3つのこと
第3回 就活で「背伸び」しすぎると入社後が地獄になる
第2回 「好きなことを仕事に」という考え方に潜む落とし穴
第1回 就職活動で「一生の仕事」をさがすのは間違っている

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