コーヒーに関するトリビアを紹介していく本連載。今回のテーマ「コーヒーの酸味」について、島根県松江市のカフェ「CAFFE VITA」オーナーである門脇裕二さんに解説していただく。

すっぱい味と酸味は違う

コーヒーの酸味って??

コーヒーの酸味というと、コーヒーメーカーで長時間保温されたコーヒーのような、嫌な酸味を想像しがち。また、「モカはすっぱいから嫌い」なんてこともお客様から度々聞きます。

一般的にコーヒーの酸味と聞くと、「すっぱい味」となりますが、このすっぱい味の正体は「酸化」です。つまりは劣化。コーヒーは焙煎することで独特の風味が生まれますが、焙煎すると酸化も進行していきます。

僕の店のコーヒー豆は、賞味期限を1カ月と設定しています。短いと思われるかもしれませんが、コーヒーにとってはこれが限界。これ以上過ぎると、酸化が進行しすぎてしまい、すっぱい味になります。その酸化したコーヒーを飲むとどうなるかというと、よくある"胃が痛い"状態になります。ちなみに、豆より挽いた粉末の方が早く酸化します。

一方、いい酸味というと、ブルーベリーやトマト、マスカット、レモンにたとえられます。「コーヒーにそんな酸味あるの? 」と思われるでしょうが、コーヒー豆は、コーヒーチェリーという形で木になります。つまり、果物なのです。そう考えると、こういう味の表現も納得できるのではないでしょうか。

また、僕たちがコーヒー豆を取引する際にはコーヒーの点数表を使用するのですが、その中には「アシディティ(酸味)」の項目があります。アシディティはマイナス評価に「サワーテイスト」、つまりプレーンヨーグルトにたとえられる発酵したような酸味、プラス評価に「フルーティー」という果物の酸味があります。酸味にもよいものと悪いものがある、ということがよくわかる事例ですね。

最後に、いまあなたの家にあるコーヒー豆が賞味期限内かどうかを見極める方法を紹介しましょう。それは、その豆で淹れたコーヒーを冷ましてから飲んでみるだけ。あたたかい時には感じにくいのですが、冷めるとコーヒーは本当の味が出てきます。嫌な酸味が出ていれば、もう賞味期限が来ていると思ってください。これからは、"いい酸味のコーヒー"を楽しんでくださいね。